外国人枠 (サッカー)

サッカーにおける外国人枠の概要

サッカー界では、選手の国籍によってリーグ及び大会への出場が制限される外国人枠が存在します。この枠は、主にプロリーグが運営されている国以外の国籍を持つ選手に適用されるもので、国によって異なるルールが設けられています。

欧州における外国人枠

欧州では、1995年に「ボスマン判決」が下されたことにより、EU加盟国籍の選手は、EU内のクラブチームで外国人扱いされないことが決定しました。これにより、多くのクラブが外国人選手を積極的に採用している一方で、国内選手が出場機会を奪われるという問題もあります。この競争が進む中、FIFAは「6+5ルール」を提案し、外国人選手の出場数を制限しようとしていますが、一部のクラブや行政機関からは反発が強まっています。

「6+5ルール」は、スターティングメンバーのうち外国人選手が5人を超えてはならないという規定ですが、この案が成立すると、すでに多くの外国人選手を抱えるクラブにとって、大きな影響を及ぼすと予想されています。特に、国内選手育成の観点からも重要な問題となっています。

アジアにおける外国人枠

アジアにおいては、AFC（アジアサッカー連盟）が推進する「3+1ルール」があります。これは、外国籍選手を3名と、AFC加盟国の選手を1名同時に起用できる制度です。これにより各国の選手交流を促進し、レベルの向上を図ることを目的としています。

各国リーグの外国人枠ルール

日本

2019年3月現在、Jリーグでは外国人選手の登録に関して、無制限の登録枠を設けています。ただし、J1では同時出場可能な外国人選手は5名、J2・J3では4名までです。また、Jリーグ提携国籍を持つ選手は外国籍選手として扱われません。このルールは、国内の選手育成と国際競争力を高める狙いのもとに設定されています。

イングランド・スコットランド

イングランドとスコットランドでは、EU加盟国及びEFTA加盟国の選手は登録に関する制限がなく、国内選手として扱われます。他国籍選手については、労働ビザ取得が厳しく、最近ではホーム・グロウン・ルールが導入され、登録選手の中から一定数がイングランドまたはウェールズのクラブでの経験が求められます。

スペイン・イタリア

スペインでは、EU加盟国の選手に制限なく、EU圏外選手は5名の登録が許可されており、そのうち3名が出場可能です。イタリアも同様に、EU加盟国の選手に制限はなく、EU圏外選手については選手が契約状況に応じて制限が設けられています。

ドイツ・フランス・ポルトガル

ドイツでは外国人枠が撤廃され、一定数の自国籍選手と育成選手の契約が必要とされています。フランスは外国人選手の登録に制限がありますが、EU加盟国の選手には制限がない状況です。ポルトガルでもEU加盟国の選手に制限はなく、他国籍選手は6名の登録許可に対し、試合出場は4名までとされています。

中国・タイ

中国のプロリーグでは、2017年に外国人選手枠が3名のみに変更されました。また、タイでは1部リーグにおいて3+1（AFCルール）とASEAN選手枠が設けられています。

結論

外国人枠は、サッカー界における選手構成やチーム戦略に大きな影響を与えています。国ごとに異なるルールは、国際的な競争力や選手育成に関わる複雑な問題を反映しており、今後も議論が続くことが予想されます。

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