外崎清隆

外崎清隆の生涯とオウム真理教との関わり

外崎清隆（とのざき きよたか）は、オウム真理教において主要な役割を担った信者であり、その背景には青森県板柳町での厳しい幼少期があります。彼のホーリーネームは「ローマサカンギヤ」とされ、教団内での地位を築いていきました。

幼少期と青年期

外崎は青森県の農家に生まれ育ち、経済的な困難を抱えながら家計を支えた経験があります。特に、新聞配達を行い家庭のために尽力しました。彼の幼少期には神秘的な体験もあったものの、その後の生活には目立った支えがなかったようです。学歴や人間関係に恵まれなかった外崎は、1982年に高校を卒業後、上京し、さまざまなアルバイトを経験しました。ガソリンスタンドや工場での仕事に従事し、接骨院での勤務も数年にわたり行いました。

入信と教団内での活動

外崎がオウム神仙の会に関心を持ったのは、1985年に発売された雑誌「ムー」を通じてでした。1986年に入信し、翌年には出家を果たします。出家後は、教団の出版物販売やサリンの原材料の運搬などに従事し、省庁制が導入された後は「建設省」を経て「自治省」に所属。彼は自治省次官となり、教団の指導者である麻原彰晃やその家族に対する警護や専用車の運転を担う重要な役割を果たしました。また、ロシアでの様々な訓練にも参加し、帰国後は菩師に昇格しました。

地下鉄サリン事件との関与

1995年3月20日、外崎は地下鉄サリン事件において散布役である横山真人の送迎を担当しました。事件の詳細を知らないまま、彼は謀議に加わったものの、実行計画については深く理解していなかったと述べています。この時彼は、横山の言葉に従っていれば良いという態度で、事件発生直前には気が紛れ、カルビ弁当を購入しようとしていました。実行日の待機中には緊張感を持たず、スポーツ新聞を見ていたとされています。

逮捕と裁判

その後、外崎は林郁夫や松本剛らの逃走を手助けしているところを石川県警に逮捕されました。裁判では無期懲役が求刑され、外崎は青森訛りのある証言をする中で、感情的に苦しむ瞬間もありました。麻原の態度や教団の運営に幻滅し、最終的にはオウムを脱会します。裁判中、麻原の責任逃れの姿勢を批判し、彼自身の複雑な心境を率直に語ったことが印象的でした。

2000年の第一審および2001年の控訴審で無期懲役が言い渡され、2004年に最高裁で判決が確定しました。さらに、2015年には高橋克也の公判に証人として出廷し、彼の経験が再び注目を集めることとなりました。

結論

外崎清隆の生涯は、オウム真理教との深いつながりを持ちながらも、彼自身の葛藤や成長を伴ったものでした。事件を通じて彼が直面した困難や感情の変化は、教団の中での人間関係や社会との接点を考えさせる要素でもあります。

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