外科医柊又三郎

『外科医柊又三郎』は、1995年から1996年にかけてテレビ朝日系列で放送された医療ドラマで、特に木曜ドラマ枠での人気を博しました。最初のシリーズは1995年 7月6日から9月28日まで放送され、その後も続編が制作されました。

1作目の特徴とキャスト

主なキャラクター

物語の中心となるのは、外科医柊又三郎（演：萩原健一）です。46歳の又三郎は、確かな技術を持ち、アメリカでも活動経験があります。彼は飄々とした性格で、手術の前後に北斗七星に向かって祈る姿勢が印象的です。妻を亡くした後、娘と二人三脚で生活しており、周囲の人々との交流を通じて、少しずつ心を開いていきます。

他のキャラクターも多彩で、例えば28歳の斉門純一（保阪尚輝）は、初めは又三郎に強い反発を示す外科医ですが、次第に彼の人柄に惹かれていきます。また、32歳の島津涼子（高樹沙耶）は、又三郎に対して反発しつつも、次第に彼を異性として意識するようになります。さらに、看護師や麻酔医など、様々な職業のキャラクターたちが物語を彩ります。

サブキャラクター

新たに加わったキャラクターたちもまた、物語に深みを与えています。たとえば、事務長の北別府光太郎（佐藤B作）は、又三郎との関係を通じて病院の活気を保とうとしていましたが、突如の心臓発作に襲われます。彼の代わりに新しい院長となった国弘は、前任者の死を利用して又三郎を解雇しようと画策する一方、自身が病であることを隠し続けます。このように、各キャラクターの人間模様が描かれています。

視聴率と評価

また、主題歌にはB'zの「love me, I love you」が使用され、ドラマを更に引き立てました。全体として、初回から最終回まで視聴者を惹きつける緊張感と感動的なエピソードが展開されました。

2作目の特徴

続編となる第2作目は1996年の10月17日から12月19日にかけて放送されましたが、1995年の初回作品とは設定やキャストが異なっていました。又三郎がアメリカではなくアフリカで過ごしていたり、娘は登場しない一方で妻は健在というように、一部キャラクターが再登場します。しかし、続編は視聴率が前作に比べて伸び悩む結果となりました。

新たなキャストには、香川たまみ（西田ひかる）や矢島兆次（渡部篤郎）など、実力派の俳優たちが起用され、実際にバラエティに富んだストーリーが展開されましたが、オリジナルの魅力を完全に再現することは難しかったようです。

制作の背景

本作は、脚本や演出においても高い評価を受けており、医事監修として杏林大学の伊藤泰雄教授が関与するなど、リアリティを追求した制作が行われました。また、視聴率を支えたのは、キャスト陣の巧みな演技と、緻密に構成されたストーリーであり、視聴者の心に残る名作として今でも語り継がれています。これにより、『外科医柊又三郎』は医療ドラマの金字塔としての地位を確立したのです。

外科医柊又三郎