多叉路

多叉路とは

多叉路（たさろ）とは、5本以上の道路が一点に集まる交差点のことを指します。五叉路、六叉路、七叉路など、道路の本数によって呼び方が変わります。また、「叉」の代わりに「差」の字を使うこともあります。

多叉路の特徴

多叉路は、複数の道路が交わるため、交通の流れが複雑になりがちです。通常の十字路に比べて信号のパターンが多く、各道路の青信号の時間が短くなる傾向があります。そのため、交通量の多い道路に多叉路が存在すると、渋滞が発生しやすくなります。かつてはロータリー交差点として設計されていた場所もありましたが、自動車の交通量増加に伴い、現在ではあまり見られなくなりました。しかし、近年では環状交差点として再び注目され、導入する動きも出てきています。

多叉路の例

日本各地には、以下のような多叉路が存在します。

橋本五差路（神奈川県相模原市緑区）：国道16号と国道129号が交わる五叉路。以前は渋滞の名所として知られていましたが、立体交差化により渋滞は大幅に緩和されました。
池袋六又交差点（東京都豊島区）：国道254号と明治通りが交わる六叉路。交通量が多く、複雑な信号のため事故が多発しています。
酒門六差路（茨城県水戸市）：国道6号と4つの県道が交わる六叉路。交通量が多く、通過に時間がかかります。
七辻交差点（東京都大田区）：7つの区道が交わる七叉路。
本町（七つ辻）交差点（大阪府河内長野市）：実際には8本の道路が交わる八叉路です。
八坂交差点（東京都東村山市）：かつては9つの道が交わる「九道の辻」でしたが、現在は7つの道路が交わっています。
菅原橋交差点（東京都江戸川区）：数え方によっては11の道路が交わる多叉路です。
古堂交差点（兵庫県神戸市東灘区）：9つの道路が交わる九叉路です。
原交差点（福岡県福岡市早良区）：国道202号など複数の道路が交わる八叉路です。
江平五差路交差点（宮崎県宮崎市）：交通量が非常に多く、2017年には交通事故発生件数が全国最多となりました。

海外の例として、フランスのパリにあるエトワール凱旋門（シャルル・ドゴール広場）は、ロータリー式の12叉路として有名です。

関連事項

交差点：道路が交わる場所全般を指します。
三叉路：3本の道路が交わる交差点。
丁字路：T字型に交わる三叉路。
Y字路：Y字型に交わる三叉路。
四叉路：4本の道路が交わる交差点（十字路）。
追分：道が分かれる場所。特に旧街道などで使われる。

多叉路は、交通の要所となる一方で、渋滞や事故を引き起こしやすい場所でもあります。そのため、多叉路を通行する際は、信号や周囲の状況をよく確認し、安全運転を心がけることが重要です。

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