多摩南北道路

多摩南北道路について

多摩南北道路は、東京都の多摩地域を縦断する複数の幹線道路の総称です。これらの道路は、都心部へ向かう放射状の道路に比べて整備が遅れていた南北方向の交通を改善し、慢性的な渋滞を緩和することを目的としています。主要な5路線として、八王子村山線、立川東大和線、府中所沢・鎌倉街道線、府中清瀬線、調布保谷線があります。2017年度末時点で、全体の整備率は76%に達しています。

計画では、道路幅は15m以上を確保し、鉄道との交差はすべて立体交差とする予定です。これにより、交通容量を増やすとともに、鉄道との交差点での渋滞を解消することを目指しています。

各路線の詳細

調布保谷線

調布と保谷を結ぶ路線で、東京都道19号町田調布線（鶴川街道）、東京都道12号調布田無線（武蔵境通り・新武蔵境通り）などを経由します。大部分は4車線で整備されていますが、一部区間は暫定2車線となっています。特に、旧甲州街道から中央道高架下までの区間は、現在も2車線区間として残っています。

この路線の開通により、甲州街道から埼玉県境までの所要時間が大幅に短縮され、並行する道路の交通量も減少しました。また、歩道は歩行者レーンと自転車レーンが分離され、広大な植樹帯も設けられています。一部区間には副道も整備されています。

都市計画路線名は、調布3・2・6号線、三鷹3・2・6号線、武蔵野3・3・6号線、西東京3・2・6号線で、起点は稲城市矢野口、終点は西東京市北町3丁目です。

府中清瀬線

南多摩駅付近と清瀬駅付近を結ぶ路線で、府中街道、新小金井街道、志木街道の一部で構成されます。全線開通済みで、車線数は2車線です。ただし、是政橋を含む起点付近のみ4車線となっています。

都市計画路線名は、府中3・4・7号線、小平3・4・7号線、東村山3・4・7号線です。起点は稲城市大丸、終点は清瀬市下清戸5丁目です。

府中所沢線および鎌倉街道線

町田駅付近と所沢駅付近を結ぶ路線で、多摩川を渡る関戸橋を境に、南側を鎌倉街道線、北側を府中所沢線と呼びます。鎌倉街道線は、大部分が4車線で供用されていますが、一部区間で拡幅工事中です。

府中所沢線は、府中街道のバイパスとしての役割が期待されていますが、一部区間は未開通です。特に、国分寺市区間では、約2.5kmの区間で事業が進められており、一部区間が開通しています。

都市計画路線名は、町田3・3・8号線、多摩3・3・8号線、府中3・3・8号線、国分寺3・2・8号線、小平3・2・8号線、東村山3・3・8号線です。起点は町田市森野2丁目、終点は東村山市久米川町5丁目です。

立川東大和線

青梅街道（都道5号旧道）以南〜モノレール並行部分まで、また甲州街道（都道256号）〜野猿街道は開通済みです。しかし、多摩湖方面や芋窪街道から分岐するバイパス部分は未開通です。

玉川上水駅〜野猿街道間は4車線で整備されていますが、玉川上水駅以北は2車線となっています。都市計画路線名は、国立3・3・15号線、立川3・3・30号線です。起点は国立市泉4丁目、終点は東大和市蔵敷2丁目です。

八王子村山線

多摩大橋通りとして知られ、2008年に全線開通しました。多摩大橋の新橋は2007年に開通しています。車線数は2車線です。

都市計画路線名は、八王子3・4・9号線、昭島3・4・9号線、立川3・4・9号線です。起点は八王子市大和田町2丁目、終点は武蔵村山市本町1丁目です。

まとめ

多摩南北道路は、多摩地域の交通網を大幅に改善するための重要なプロジェクトです。各路線の整備状況や計画内容を把握することで、地域全体の交通事情がより理解できます。今後の整備進捗に注目し、より快適な交通環境が実現することを期待します。

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