多摩都市モノレール

多摩都市モノレール株式会社

多摩都市モノレール株式会社（たまとしモノレール）は、東京都と沿線の鉄道事業者や金融機関、自治体などが出資して設立された第三セクターの鉄道会社です。本社は東京都立川市にあり、略称として「多摩モノレール」と呼ばれています。

概要

多摩地域では、南北方向の公共交通網の充実と業務核都市間の連携強化を目的にこのモノレールが導入されました。額面上、東京都が橋脚や軌道桁などのインフラを担当し、実際の運営や車両管理は多摩都市モノレールが担っています。全体の構想路線は約93kmですが、2000年1月に開業したのは上北台 - 多摩センター間（約16km）の部分のみです。この路線は、中央大学や帝京大学、明星大学への通学手段としても利用されています。現在、上北台 - 箱根ヶ崎間、さらに多摩センター - 町田や多摩センター - 八王子間の延伸が進められています。

経営状態

開業以来の利用者数は順調に増加しています。2005年には営業損益が黒字に転じ、その後も収益は拡大しています。しかし土地取得費や建設費の支払いが経営を圧迫し、長い間経常損益が黒字化されていませんでした。2008年に東京都から経営支援を受けることで債務超過が解消され、その後は徐々に経営状態が改善されています。特に、大型商業施設の開業や沿線開発によって利用者が増え、2015年度には初めて当期純利益が10億円を超えました。

しかし、2020年度は新型コロナウイルスの影響で営業赤字となりました。2021年度には改善し、2022年度には乗車人員や営業利益がコロナ前水準の約90%に回復しました。

年度別実績

2024年3月31日現在の主要な株主と出資比率についても、重要な情報があります。これにより、発行済み株式の98%超がこれらの株主によって保有されています。

沿革

多摩都市モノレールの歴史は1986年の設立から始まります。多摩センターと上北台間の特許取得や、建設工事の着工、さらには1998年に開業するまでの過程が続きます。開業後も様々なサービスを導入し、乗客数が増加。2000年には立川北から多摩センター間が開業し、2008年度には初の黒字を達成しています。近年では、交通系ICカードの導入や運賃改定も行われており、利便性が向上しています。

車両と運賃

運営する車両は1000系で統一されており、各種乗車券も多様なセット券や一日乗車券が提供されています。ICカードも全国相互利用に対応し、便利なサービスを提供。さらに、ビール列車やワイン列車を使用したイベント列車も企画されており、参加者に向けた独自の体験も提供されています。

その他の事業

多摩都市モノレールは、鉄道網の発展のみにとどまらず、沿線情報誌の発行や育成イベントの開催など、地域との密接な関係も築いています。これにより、地域のシンボル的存在として親しまれ、多くのファンを獲得しています。

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