多木浜洋館

多木浜洋館について

多木浜洋館（たきはまようかん）は、兵庫県加古川市にある歴史的な西洋館で、1933年に完成しました。この館は、国の登録有形文化財としても認定されており、その美しいデザインと歴史的意義から、多くの訪問者に親しまれています。

概要

この洋館は、加古川市に本社を構える多木化学の創業者である多木久米次郎によって建設されました。迎賓館としての役割も果たすため、別府川の河口に面した位置に15年の歳月をかけて設計されました。外観は銅板葺きであり、その美しい銅色が特徴的で、「あかがね御殿」とも呼ばれています。都心であまり見られない4階建ての形態を持ち、内部には大理石の床や赤漆塗りの壁、彩色彫刻、さらにステンドグラスなど、豪華な装飾が施されています。

建物の具体的な特徴としては、木造の階段が国会議事堂を模しており、1階の大広間の天井は桃山風の格天井に多彩な彫刻がはめ込まれています。柱に使用されるマホガニーやチーク材が、全体に贅沢な雰囲気を醸し出しており、外観や内装の全てが洗練されています。

建築年表

1. 1918年（大正7年） - 多木浜洋館の建設が起工されます。
2. 1933年（昭和8年） - 完成。
3. 2002年（平成14年）8月21日 - 主屋、石造門、煉瓦塀、記念碑が国の登録有形文化財に登録されました。
4. 2003年（平成15年）6月 - 銅版屋根の葺き替えが行われました。
5. 2010年（平成22年）8月 - 1階の窓や2階、3階の客室が復元されました。
6. 2012年（平成24年）8月 - 1階大広間の壁面が復元されました。
7. 2020年（令和2年）1月21日 - 兵庫県の景観形成重要建造物に認定されました。

建物の特徴

多木浜洋館は、外観が3階建てで、一部は4階建てというユニークな形状を持っています。屋根は傾斜が異なり複雑に組み合わさっており、その美しさは周囲に君臨しています。特に印象的なのは、1階の大広間で、桃山風の格天井に施された極彩色の彫刻が、訪れる人々の目を引きつけます。

また、2階には「鏡の間」と呼ばれる貴賓室があり、大きな鏡が装飾され、落ち着いた朱色の天井と金色の植物彫刻が施されています。

美術品のコレクション

館内には多くの美術品も展示されています。その中でも1階の大広間には、姫路出身の画家、飯田勇の「夾竹桃ある家」や、梶悦次による「硫安工場の秋」などがあり、鑑賞者を魅了します。

利用案内

多木浜洋館の内部は通常非公開ですが、団体による見学は事前に相談することが可能です。新型コロナウイルスの影響により、見学会は一時中止されているため、最新の情報を確認することが推奨されます。

アクセス

• - 山陽電鉄本線 別府駅から徒歩約18分。
• - JR加古川駅から、かこバス・別府ルートで「スポーツ交流館前」下車、徒歩1分。
• - タクシー利用でJR東加古川駅から約5キロメートル。
• - 自動車では加古川バイパスの加古川東ランプから約5キロメートル南に進むと到着します。

周辺情報

周囲には加古川海洋文化センターやスポーツ交流館、浜の宮公園、浜宮天神社などの観光スポットが点在しております。歴史ある多木浜洋館を訪れる際には、ぜひ周辺も散策してみてください。

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