多田かおる

多田 かおる

多田 かおる（ただ かおる、1960年9月25日 - 1999年3月11日）は、大阪府寝屋川市出身の漫画家です。女性。血液型はA型。

来歴

漫画家としての第一歩は、大阪市立工芸高校図案科に在籍していた1977年、集英社の第3回別冊マーガレット新人長編マンガ賞に「琴美の婚約者」が入選したことから始まります。同年、『キッスの代償!?』で正式にデビューし、初の雑誌掲載作ながら読者アンケートで1位を獲得するという、幸先の良いスタートを切りました。以降、約22年間にわたる創作活動を通じて、『別冊マーガレット』や『デラックスマーガレット』といった集英社の少女漫画誌のみで作品を発表し続けました。同じく集英社で活躍した漫画家のくらもちふさこ氏や聖千秋氏らとも親交が深かったことで知られています。

プライベートでは、1985年5月10日、ロックバンドPRESENCEのボーカル（当時）で、後に音楽プロデューサーとなる西川茂氏と結婚しました。卵巣嚢腫を患ったため妊娠は難しいと告げられていましたが、それを乗り越え、1989年2月7日には長男を出産し、母となりました。

人物像とエピソード

料理が得意で、特にブタの角煮、ハンバーグ、おでん、たまご焼、カレーといった家庭的な料理作りを楽しんでいたようです。また、女優のジョディ・フォスターの熱狂的なファンとしても知られ、テレビ番組『ハンマープライス』の公開オークションに一般客として参加し、フォスター氏の書き初めを落札したというユニークなエピソードも残っています。ラジオ番組『ぬかるみの世界』に電話出演した際には、生放送中に感極まって号泣するなど、飾らない情熱的な一面を垣間見せています。

突然の死とその後

『別冊マーガレット』で代表作となる『イタズラなKiss』を連載中の1999年3月11日、脳内出血のため、わずか38歳でこの世を去りました。その突然の訃報は、多くの読者や関係者に大きな衝撃を与えました。死因については、同年2月21日の引っ越し作業中に大理石のテーブルに頭部を強く打ち付けた事故が引き金になった可能性が指摘されていましたが、後に映画『イタズラなKiss THE MOVIE』関連資料では、その際に脳腫瘍が破裂したことが直接の死因であったとの見解も示されています。

残念ながら『イタズラなKiss』は未完のまま幕を閉じることとなりましたが、後にテレビアニメ化された際に、彼女が生前に残した構想メモを元に最終回が制作され、作品として完結が果たされました。この未完の作品は、没後も日本国内はもとより、台湾、韓国、タイなど世界各国で繰り返し実写ドラマ化されるなど、世代や国境を超えて今なお多くの人々に愛され続けています。

彼女の描くキュートで魅力的なキャラクターや、ユーモアあふれる独特のコメディセンスは、漫画家まつもと泉氏など、後進のクリエイターにも影響を与えたと言われています。

主な作品（一部）

ピシッとせえよ!!ピシッと…!!（全1巻）
愛してナイト（全7巻、愛蔵版、文庫版他）
デボラがライバル（全4巻、文庫版他） - 「デボラ」シリーズを再編集
イタズラなKiss（全23巻、文庫版他）
多田かおる傑作集（文庫全4巻）

主なメディア展開（一部）

多田かおるの作品は、生前・没後を問わず多様なメディアで展開されています。

アニメ
愛してナイト（1983年）
イタズラなKiss（2008年）

映画
デボラがライバル（1997年）

ドラマ
イタズラなKiss（1996年、テレビ朝日）
イタズラなKiss〜惡作劇之吻〜（2005年、台湾）
* イタズラなKiss〜Playful Kiss（2010年、韓国）

上記作品以外にも多数存在します。

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