多田基

多田基（ただ もとい）は、1901年（明治34年）に鳥取県鳥取市で生まれ、1995年（平成7年）に94歳で亡くなった日本の経済学者です。法政大学の名誉教授であり、学校法人実践女子学園の理事長、大月短期大学の名誉教授も務めました。

生涯

1925年（大正14年）に法政大学経済学部を卒業後、1947年（昭和22年）に母校の法政大学で教授に就任しました。その後、1961年（昭和36年）には大月短期大学の学長に、1974年（昭和49年）には実践女子学園の理事長に就任し、1978年（昭和53年）からは実践女子大学・短期大学の学長も兼任するなど、教育者として長年にわたり活躍しました。

人物

多田基は、作家の内田百閒の教え子であり、黒澤明監督の映画『まあだだよ』の題材となった「摩阿陀会」の幹事の一人としても知られています。内田百閒を中心とした近代文学に関する多くの貴重な資料を収集しており、その一部は実践女子大学に寄贈され、研究に活用されています。これらの資料は、多田の文学に対する深い造詣と、恩師への敬愛の念を物語っています。

1971年（昭和46年）には勲三等瑞宝章、1988年（昭和63年）には勲三等旭日中綬章を受章しており、その功績は広く社会に認められました。

著書・訳書

多田基は、経済学の研究だけでなく、語学にも堪能で、ドイツ語の教科書や翻訳書も執筆しました。主な著書には、『標準独逸語第一歩』や『内田百閒先生の想い出』があります。また、内田栄造との共著で『英語對照 獨逸語新講』、『独逸語征伐』を、奥脇要一との共著で『獨逸語要綱』を、田中宏明との共著で『速習ドイツ単語』を執筆しました。翻訳書としては、ハンス・プフルーク著『ナチス独逸の不朽の記念営造物たる国営自動車専用道路』や、ジョージ・ヘンリー・ソウル著『偉大なる経済学者たちの思想』の共訳があります。

参考文献

多田基に関する情報は、『現代物故者事典1994-1996』に掲載されています。

外部リンク

実践女子大学図書館のウェブサイトでは、多田基旧蔵資料と内田百閒に関する貴重な近代文学資料が公開されており、多田の研究活動の一端を垣間見ることができます。

多田基は、教育者、研究者として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、多くの人々に影響を与えた人物でした。

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