多肥

多肥地区の概要

多肥（たひ）は香川県高松市の中部に位置する地区であり、最近では高松のベッドタウンとしても注目されています。この地域は多肥上町、多肥下町、そして出作町の3つの町からなり、1956年には香川郡多肥村が高松市に編入されたことにより、現在の多肥地区が誕生しました。多肥は高松市の主要な行政機関である多肥出張所の管轄下にあります。

地理

多肥地区は南北に長い形状をしており、人口は2010年時点で約12,000人です。世帯数は4782世帯で、1990年代以降の人口増加が顕著です。面積は4.04平方キロメートルで、高松市内では仏生山地区に次いで狭いですが、人口密度は高く、特に北部は区画整理の影響で人口が集中しています。

地形は高松平野の一部であり、大きな起伏は見られませんが、扇状地のため南に進むにしたがって標高と斜度が増しています。自然的な水源は少ないですが、住蓮寺池が唯一の湖沼として注目されています。

土地利用と人口動態

かつては田園地帯であった多肥地区ですが、都市化が進んだ結果、北部では急速に住宅地が成立し、ロードサイド店や商業施設も増加しています。特に、2004年には市街化調整区域の線引きが撤廃され、農地から宅地への転用が進展しました。そのため、地区のインフラ整備が不十分で、地盤沈下やスプロール化が懸念されています。

このような背景の中、多肥の住民は多くのインフラを享受していますが、公共交通機関の利用頻度は低く、地区には駅が存在しないため、自動車が欠かせない状況です。バス路線はあるものの、交通の便に関しては依然として課題が残ります。

教育機関

多肥地区内には二つの小学校と一つの中学校が存在し、教育環境も整っています。公立小学校は高松市立多肥小学校、中学校は市立龍雲中学校です。また、高等教育機関として香川県立高松桜井高等学校も近隣に位置しています。

経済と産業

経済面では、第二次産業の従事者数がやや高いものの、第一次産業は大部分が農業に依存しています。しかし、都市化が進む中で、多くの農地は住宅開発に転用されつつあります。第二次産業に関しては中小規模の工場が点在しており、過去には雪印乳業の工場がありましたが、現在は閉鎖されています。第三次産業は非常に盛んで、商業施設やサービス業が発展しています。

交通と公共サービス

交通手段としては主に道路が整備されており、幹線道路がいくつか通っていますが、公共交通機関は限られており、高松市の他の地域へのアクセスは難しいと言えるでしょう。地域内には多くの公共施設も存在し、コミュニティセンターや公園が地域住民の生活環境を支えています。

まとめ

多肥地区は歴史と自然が融合する地域であり、急速な都市化に伴う課題も抱えています。一方で、地域住民にとって快適な生活環境を提供するための施策も進行中であり、将来的にはより住みよいコミュニティとなることが期待されています。

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