夜の女たち

夜の女たち

1948年に公開された日本[[映画]]『夜の女たち』は、戦後の混乱期を生きる女性たちの姿を描いた作品です。2022年には同名のミュージカルが制作され、その普遍的なテーマが再び注目を集めました。

あらすじ

物語の舞台は、敗戦直後の大阪。主人公の大和田房子は、戦地から帰らない夫を待ちながら、幼い結核の子どもを抱え、困窮した生活を送っていました。朝鮮半島で終戦を迎えた両親や妹の消息も分からず、夫の実家で姑や義弟、義妹の久美子と暮らしていました。生活のため、着物を売り払いながらなんとか日々をしのいでいました。

そんな中、ラジオで夫の消息を知る元兵士の存在を知った房子は、姑と共に栗山商会という会社を訪ねます。しかし、そこで知らされたのは、夫が戦地の収容所で病死したという悲しい知らせでした。失意の中、わずかな遺品を受け取った直後、今度は子どもの病状が急変し、息を引き取ってしまいます。

生きる希望を失った房子を救ったのは、栗山商会の社長・栗山でした。彼は房子を秘書として雇い、アパートで一人暮らしを始めさせます。しかし、実際には二人は愛人関係にありました。

ある日、房子は街で妹の夏子と再会します。夏子は内地に引き揚げてきており、ダンサーとして働いていました。両親がすでに亡くなったことを聞かされた房子は、夏子を自分のアパートに同居させることにしました。しかし、好色な栗山は夏子にも手を出してしまいます。

絶望した房子はアパートを飛び出し、古着屋の紹介で街娼となります。姉が街角に立っていると知った夏子は心配して様子を見に行き、そこで警察の一斉検挙に巻き込まれ、街娼と共に逮捕されてしまいます。性病検査のため病院に送られた夏子は、梅毒に感染し、しかも妊娠していることが判明します。夏子は病気を治して出産すると宣言しますが、それを聞いた房子はいたたまれなくなり、病院を脱走して街娼の生活に戻ります。

一方、釈放されてアパートに戻った夏子は、栗山に妊娠を告げますが、堕胎を迫られます。そこに警察がやってきて、栗山は密輸容疑で逮捕されてしまいます。一人残された夏子は自暴自棄になり、多くの男と関係を持つようになります。その事実を知った房子は、夏子を婦人保護寮に連れて行きます。そこで夏子は早産し、死産となってしまいました。

その後、房子は縄張りを荒らして勝手に商売をしていた街娼がリンチを受けている現場に遭遇します。その女性は、なんと義妹の久美子でした。久美子は家出して男に騙され、街娼になっていたのです。清純だった義妹の変わり果てた姿に衝撃を受けた房子は号泣します。久美子も泣きながら房子にすがりつき、房子の「帰ろう」という言葉に頷きます。足を洗う決意をした二人は、仲間から暴力を受けますが、それに耐え、その場から逃げ出しました。

キャスト

大和田房子：田中絹代
君島夏子：高杉早苗
大和田久美子：角田富江
栗山謙造：永田光男
病院長：村田宏寿
ポン引きのおばさん：浦辺粂子
房子の義母・徳子：大林梅子
古着屋の女将：毛利菊江
不良学生・川北清：青山宏
純血協会の婦人：槇芙佐子
婦人ホームの院長：玉島愛造
平田修一：田中謙三
刑事甲：加藤貫一
刑事乙：加藤秀夫
アパートのおばさん：岡田和子
闇の女・安子：西川寿美
闇の女・和子：林喜美子
闇の女・竹子：滝川美津枝
不良少女：忍美代子

外部リンク

夜の女たち - 日本[[映画]]データベース
夜の女たち - allcinema
夜の女たち - KINENOTE
夜の女たち - IMDb（英語）
夜の女たち - 国立[[映画アーカイブ]]

もう一度検索