夜会巻き

夜会巻き（やかいまき）

夜会巻きとは、明治時代に日本で広まった髪型の一つで、特に鹿鳴館時代に人気を集めました。このスタイルは、西洋においてはフレンチツイスト（French twist）として知られています。

概要

夜会巻きは、基本的には後髪の束をねじり上げていくことで、髻（もとどり）を形成するスタイルです。この髪型は、揚げ巻きや花月巻きとも呼ばれています。髪を位置ごとにブロッキングし、丁寧に結い上げる工程は、日本の伝統的な髪型と多くの類似点があります。そのため、和洋折衷の髪型と位置付けられることもあります。

特に明治時代の日本女性たちにとっては、従来からの日本髪に慣れ親しんでいたこともあり、夜会巻きの結い方は非常に受け入れやすかったのです。風俗研究家の河合長範の見解によると、日清戦争の前後に長崎市の割烹「花月」の女将が、この髪型を着物にも洋装にも合うように結い始めたことが、「花月巻き」という名称の由来とされています。

人気の高まり

夜会巻きは、その後、特に富裕層の女性たちの間で非常に人気が高まり、多くの舞踏会や社交イベントにおいて、華やかなドレススタイルとともに使用されるようになりました。大正時代に入ると、山の手夫人たちの間で、夜会巻きをした後にプラチナ製の大胆な扇形の簪を挿す風潮が生まれ、これがまたこの髪型の魅力を一層引き立てる要因となりました。

夜会巻きの特徴的な要素の一つは、片側に髪を巻き込んで左右非対称に仕上げるスタイルであり、このことで優雅な印象を与えています。この独特の美しさやSophisticationは、夜会巻きを長年にわたって人気のある髪型として維持しつけています。

現代におけるブーム

この髪型は、約十数年ごとに再び流行の兆しを見せることがあり、現代のファッションシーンでも取り入れられることが多いです。その際、アレンジや新しい技術を用いることで、より現代的にアプローチしたスタイルも多く出現しています。伝統的な夜会巻きのエッセンスを保ちながら、新しいトレンドに合わせた工夫がされているのです。

夜会巻きは、伝統的な和装でだけでなく、洋装とも調和が取れるため、多くの場面で選ばれる機会が増えています。葬儀や結婚式といったフォーマルな場でも、場にふさわしい優雅さを持ち合わせた髪型であるため、多くの女性たちから支持されています。

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