夜神月

夜神月（やがみ らいと）

夜神月は、大場つぐみ原作・小畑健作画の漫画『DEATH NOTE|DEATH_NOTE』の主人公です。端正な容姿と卓越した頭脳を持ち、スポーツにも秀でるなど、まさに非の打ちどころのない人物として描かれています。しかし、彼は偶然手にした「デスノート」という、名前を書いた人間を死に至らしめる力を持つノートを使い、犯罪者を殺害し始めます。

人物像

当初は正義感の強い青年でしたが、デスノートの力に溺れるにつれ、その正義感は歪んでいきます。彼は自らを「新世界の神」と称し、犯罪者のいない理想の世界を創ろうとしますが、その手段は大量殺戮という、倫理的に決して許されないものでした。物語が進むにつれ、彼は自己中心的で冷酷な殺人鬼へと変貌していきます。自己保身のためなら、無関係な人間や、味方さえも躊躇なく切り捨てるようになります。

夜神月は、自分の正義を絶対視するあまり、他人を道具としてしか見なさない傾向がありました。彼にとって、他人とは自分の理想を実現するための駒であり、その命もまた、自分の目的のためには簡単に奪うことができるものでした。その傲慢な性格は、彼の破滅を招く大きな要因となります。

経緯

警察官僚の父、専業主婦の母、妹という4人家族の長男として、裕福な家庭で育ちました。幼い頃から優秀で、学校でも常にトップの成績を誇っていました。しかし、その恵まれた環境と才能ゆえに、退屈な日常に飽き飽きしていました。

そんな時、彼は偶然デスノートを拾います。最初は疑心暗鬼だったものの、その力を目の当たりにし、やがてデスノートを使って犯罪者を殺害し始めます。当初は良心の呵責に苦しんでいたものの、次第に自分の行為を正当化するようになり、「腐った人間は死んだ方がいい」という歪んだ正義感を抱くようになります。

デスノートの落とし主である死神リュークと出会い、彼に自分の理想を語り、「新世界の神」になることを宣言します。この時から、彼は自分の理想を実現するために、手段を選ばない殺人鬼へと変貌していきます。

容姿と性格

明るい茶髪と、均整のとれた顔立ちが特徴で、非常に魅力的な容姿をしています。デスノートを手に入れる前は、温和で大人しい性格でしたが、手に入れてからは、より鋭い目つきとなり、冷酷さを増していきます。

自らを新世界の神と称し、独善的な正義感の持ち主です。建前としては「腐った人間は死んだ方がいい」という信念のもと、犯罪者を殺していましたが、実際には自分にとって障害となりうる者は、善人であろうと味方であろうと容赦なく殺害しました。しかし、ヨツバ編でキラとしての記憶を失った際には、人命を優先する行動を取っており、本来は清廉な資質を持っていたことが窺えます。その一方で、中学時代には「遊びは中学まで」と発言するなど、元々歪んだ一面も持ち合わせていました。

能力

全国模試で1位になるほどの卓越した頭脳の持ち主です。また、高度な情報処理能力を持ち、警察のデータベースにも痕跡を残さず侵入することができました。さらに、相手を欺くための策略を考案する能力にも優れており、デスノートを拾う以前にも、父親の捜査を助けた実績があります。中学生時代にはテニスで全国優勝を2度成し遂げるなど、優れた身体能力も持ち合わせています。

巧みな話術と演技力で、他人を欺いたり、自分に好意を抱かせたりすることにも長けています。その才能は、死神リュークに「キャッチセールスの世界でも神になれる」と評されるほどでした。

欠点

計算外の事態や不測の事態に弱く、挑発に乗ってしまうなど感情的な一面もあります。プライドが非常に高く、自分の計画が失敗したり、他人から低い評価を受けたりすると逆上します。その傲慢さゆえに、ニアに敗北し、自らの死を招いてしまうことになります。

作中での活躍

物語の前半では、デスノートを使って犯罪者を殺害し、世間から「キラ」と呼ばれるようになります。そして、キラを追う探偵Lと対峙し、激しい心理戦を繰り広げます。

物語の後半では、Lの死後、警察官僚としてキラ捜査に協力する一方、Lの後継者たちと再び対峙することになります。自身の計画を完璧に進めようとしますが、ニアに見破られ、敗北を喫します。

メディア展開

夜神月は、漫画、アニメ、実写映画、テレビドラマ、ミュージカルなど、様々なメディアで描かれています。それぞれ異なる設定や展開が用意されており、夜神月の多面的な魅力が表現されています。

実写映画版では、大学生時にデスノートを拾い、歪んだ正義感によって犯罪者を粛清していく姿が描かれます。テレビドラマ版では、普通の大学生として描かれ、アルバイト先で再会した友人との関係から、デスノートの力に溺れていく姿が描かれています。

結末

原作では、最終決戦でニアの策略によってキラであることが暴かれ、敗北を悟った直後に、死神リュークにデスノートで名前を書かれて死亡します。

アニメ版では、松田に撃たれて逃走し、リュークによって名前を書かれ、Lの幻を見ながら息を引き取ります。

実写映画版では、Lの罠にはまり、自分がキラであることを自白して、総一郎の腕の中で息を引き取ります。

テレビドラマ版では、火災に巻き込まれ焼死します。

主な被害者

作中で名前が確認できるだけでも、レイ・ペンバーをはじめとする多くの人物が、夜神月によって命を奪われています。

まとめ

夜神月は、そのカリスマ性と、破滅的な生き様から、多くのファンを魅了しています。彼の物語は、正義とは何か、人間とは何かという、根源的な問いを私たちに投げかけます。

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