夜間学部

夜間学部とは

夜間学部（やかんがくぶ）とは、主に夜間に授業を行う大学の学部を指します。文部科学省によれば、これを「夜間学部」と呼びますが、一部の人々は昼間の授業を行う学部を第一部とし、夜間学部を第二部（にぶ）と称しています。これにより、多くの大学では、学部名に「第二部」という語が含まれることが一般的です。

概要

夜間学部は、第二次世界大戦後、働きながら学ぶことを希望する勤労学生のために設けられました。この理念を基に、多くの大学が夜間に授業を設置し、学びたいという学生のニーズに応えています。以前は学習意欲の高い勤労学生によって、夜間学部は充実した学問の場として機能していました。

夜間学部は、多くの場合、昼間学部の専任教員が授業を担当します。理科系の学部等では、実習のため各研究室に学生が配属されることから、独立した専任教員を持つ場合もあります（例：東京理科大学）。また、一部の大学では夜間学部と昼間学部での相互履修が可能となっており、学生は幅広い学びを享受できます。

夜間学部の授業料は、しばしば昼間の学部よりも安価で設定されており、特に昼間コースに比べて約半額程度の場合が多いです。修業年数に関しては、一般的な昼間学部が4年であるのに対し、夜間学部は4年を超える場合も見られましたが、現在では多くの夜間学部が4年の修業を定めています。

歴史

夜間学部の起源は、第二次世界大戦前の旧制大学に遡ります。当時、一部の学校では既に夜間の講義が行われており、戦前から夜間教育の伝統を持つ学校も多く存在しました。しかし、戦争による校舎の損傷や戦後の資材不足により、大学の復旧は遅れ、教育環境が厳しくなる中で、夜間に授業を行うことで多くの学生を収容できる「二部制」が採用されました。

このような状況から、夜間学部は勤労学生にとって魅力的な選択肢となりましたが、時代が進むにつれて、夜間学部への入学者数が変化しました。1980年代以降、昼間部の受験に失敗した学生も夜間学部へと流れるようになりました。近年では、少子化や働き方の変化に伴い、夜間学部の役割が低下し、いくつかの大学で夜間学部が廃止される傾向が見られています。

現在の状況

多くの大学では、勤労学生の数が減少したことや、昼間部の学生数が増加したため、夜間学部の必要性が薄れています。それによって、大学は昼夜開講制の導入や専門職大学院の強化を進めています。一方で、夜間学部を存続させている大学もあります。すなわち、東京理科大学や東洋大学などの一部の大学では、依然として夜間部が設置されています。

現存する夜間学部は数こそ減少していますが、学生のニーズを満たすための容積はなお一定残っています。また、夜間学部は法務省の規制により、外国人留学生を受け入れないため、この側面でも独特の環境が保たれています。

今後の展望

今後、夜間学部の存在意義には多くの意見がありますが、少数ではあれ現在も運営されている夜間学部は、いくつか見受けられます。教育の機会均等を保ちつつ、良質な学問環境を提供するために努力している大学もあり、多様な進路を考える学生にとって貴重な選択肢となっています。

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