夜間瀬川

夜間瀬川（よませがわ）

夜間瀬川は、長野県内を流れる信濃川水系の一級河川です。その源流は、標高約2000mの志賀高原に位置する大沼[[池]]にあります。そこから流れ出る水は、横湯川と角間川という二つの川となり、山ノ内町の湯田中温泉・渋温泉付近で合流し、この合流地点より下流が夜間瀬川と呼ばれます。

地理

夜間瀬川の流域面積は約114平方キロメートル、全長は約24キロメートルです。横湯川は、大沼[[池]]から深い峡谷を形成しながら西へと流れ、地獄谷へと至ります。一方、角間川は、湖成の熊ノ湯を源とし、幕岩や潤満滝、屏風岩などの景勝地を過ぎ、波坂からは扇状地が広がります。二つの川が合流した夜間瀬川は、夜間瀬構造谷を西に流れ、高社山の麓を回り込み、中野市柳沢で千曲川に合流します。また、下流部には湯田中付近を扇頂とする、広大な中野扇状地が形成されています。この扇状地の長さは約6キロメートル、面積は約25平方キロメートルにも及びます。支流には、伊沢川や笹川などがあります。

湯田中・渋温泉などの温泉街は、横湯川、角間川、夜間瀬川の河床や河成段丘に発達していますが、過去には度重なる土砂災害や洪水に見舞われてきました。1906年（明治39年）から長野県による砂防事業が開始されましたが、1909年（明治42年）から翌年にかけての豪雨によって砂防施設が破壊され、中流部の温泉街も大きな被害を受けました。

十三崖

夜間瀬川の流域には、国の天然記念物である「十三崖のチョウゲンボウ繁殖地」があります。十三崖は、高社山の火山岩が川や地すべりによって堆積した扇状地を、夜間瀬川が浸食してできた崖です。以前の夜間瀬川は中野市の南西側を流れていましたが、1406年の大洪水により流れが北側へと移動し、現在に近い流域になったとされています。崖は北西から南東方向に約1,500メートル続き、中央部分では30メートル以上の高さを誇ります。

水利権

夜間瀬川水系の水利権は、下流の中野市八ヶ郷土地改良区が保有しています。中野市と山ノ内町に架かる夜間瀬橋付近には、八ヶ郷用水の取水口が設置されています。

夜間瀬川は、美しい自然と温泉地を育む一方で、災害の歴史も持つ川です。その流れは、地域の人々の生活と密接に結びついており、これからも大切に守り継がれていくことでしょう。

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