夜霧よ今夜も有難う

『夜霧よ今夜も有難う』

『夜霧よ今夜も有難う』は、1967年3月11日に公開された日本映画で、主演には石原裕次郎と浅丘ルリ子が起用されました。この作品は、アメリカの名作映画『カサブランカ』を基にして制作されており、物語の構成やラストシーンにおいても多くの共通点が見られます。

公開前、浅丘ルリ子は本作が『カサブランカ』からの影響を受けていることを知らず、映画公開後に偶然この名作を観て、驚くべき一致に衝撃を受けたと語っています。彼女は「もし事前に知っていれば、イングリッド・バーグマンのようには演じられないと感じ、出演を辞退したかった」と述べていることから、この映画が持つ文化的な影響力が伺えます。

本作の主題歌である「夜霧よ今夜も有難う」は、裕次郎が浜口庫之助に依頼して作られたもので、1966年にリリースされ、映画のテーマと見事に融合しています。この曲は、裕次郎の代表的なレパートリーとなり、彼の音楽活動にも大きな影響を与えました。

あらすじ

物語は船乗りの相良徹が恋人の北沢秋子にプロポーズする場面から始まります。二人は神戸の教会で待ち合わせの約束をしますが、秋子は交通事故に遭い、その後行方不明となってしまいます。4年後、相良は横浜でナイトクラブのマスターになり、密航をあっせんする「逃がし屋」として暮らしています。

ある晩、相良の店に現れたのは、グエンという男の妻となった秋子でした。秋子は、グエンとともにシンガポールへ密航するための協力を求めますが、相良は彼女に裏切られた痛みから拒否します。この時、港南組がグエンを探し回っており、相良は彼らに命を脅かされることになります。相良は、秋子とグエンを救うために立ち上がり、危険な状況に立ち向かいます。

クライマックス

相良は秋子とグエンを匿い、密航できる機会を探ります。シンガポール行きの船に向かう途中、相良は彼らを守るために港南組との激しい戦いに挑むことに。相良は自身の過去の痛みと向き合いながら、彼女たちを守り抜く決意を固めます。

秋子とグエンはボートで船に向かいますが、その間、相良は二人に送るはずだった真珠の指輪を海に捨て、彼らの新たな旅立ちを見送る場面が心に残ります。

キャスト

• - 相良徹: 石原裕次郎
• - 北沢秋子: 浅丘ルリ子
• - グエン: 二谷英明

この映画は、切ない愛の物語と裏切りを描き、観客の心に深く残る印象を与え続けています。主題歌も併せて多くの人々に親しまれ、時代を超えた魅力を誇る作品となっています。

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