夢の遊眠社

夢の遊眠社

概要

夢の遊眠社（ゆめのゆうみんしゃ）は、日本の演劇界で特異な存在感を放った劇団であり、小劇場運動の第三世代を代表する団体として知られています。1976年に創立され、1992年にその活動を終えるまで、様々な革新的な作品を世に送り出しました。劇団の魅力は、複雑に絡み合うストーリーと巧妙なセリフ回しにあり、特に若者を惹きつけました。

主宰の野田秀樹によるオリジナル脚本に加え、萩尾望都の『半神』、坂口安吾の『贋作・桜の森の満開の下』、さらにはシェイクスピアの『リチャード三世』を基にした『三代目、りちゃあど』など、多彩な作品が劇団のレパートリーに含まれています。これらの作品は、いずれも演劇界に新たな風を吹き込みました。

経歴

夢の遊眠社は、東京大学の演劇研究会に在籍していた野田秀樹を中心に、1976年に旗揚げされました。当初は東大構内の駒場小劇場で活動を行っていたアマチュア劇団でしたが、次第にプロに転向し、演劇界でのムーブメントの先駆者となっていきました。劇団の人気が高まるにつれ、本多劇場や紀伊國屋ホールなどの商業劇場での公演が中心となりました。

1982年10月には『野獣降臨』（のけものきたりて）を最後に、駒場小劇場との別れを告げました。同年の1985年、科学万博つくば'85にて『宇宙蒸発』を上演し、その後1986年に創立10周年を祝して代々木競技場第一体育館で行われた三部作の一挙上演では、26,400名という多くの観客を動員するという素晴らしい成果を達成しました。

1990年には、作品『三代目、りちゃあど』で文化庁芸術祭賞を受賞するなど、その名声を確立します。また、1985年からはテレビ番組「ニュースステーション」のコーナー「金曜チェック」で寸劇を演じたことで、さらに多くのファンを獲得しました。このコーナーは1988年4月まで続き、幅広い視聴者層から支持を受けました。

1992年11月23日、第43回公演『ゼンダ城の虜-苔むす僕らが嬰児の夜』の千秋楽をもって、夢の遊眠社は活動を終了しました。解散するまでの間、劇団は43回の公演を果たし、総ステージ数は1,205回、観客数は812,790名に達しました。

解散後、野田秀樹は新たな演劇プロデュースユニット「野田地図」を立ち上げ、元メンバーたちも各自の道で俳優として映画やテレビなどで活躍を続けています。

主な所属人物

夢の遊眠社には、野田秀樹を筆頭に多くの才能ある俳優が所属していました。中でも渡部泰明、上杉祥三、円城寺あや、川俣しのぶ、佐戸井けん太など、多くの人材が劇団の活躍を支えていました。また、山田太郎という名で知られるかつてのお笑いコンビ「東風」のメンバーが所属していたことでも知られています。

その後、彼らはそれぞれのフィールドで活躍し、演劇界や映像制作に新しい風を吹き込む存在となりました。

まとめ

夢の遊眠社の活動は、演劇の枠を越えて多くの人々に影響を与え、その独自のスタイルは今なお多くのファンに愛されています。解散から年月が経った今でも、彼らの作品や影響は日本の演劇文化に深く根付いています。

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