夢回帰線II

『夢回帰線II』の魅力

『夢回帰線II』（ゆめかいきせん セカンド）は、1990年8月25日に発表されたシンガーソングライターさだまさしの16作目のオリジナルアルバムです。この作品は、さだまさしが率いるステージバンド「亀山社中」と共に初めて全曲をマウイ島でレコーディングした点が特長です。前作『夢回帰線』のスタイルを引き継ぎつつ、様々な場所にインスパイアされた楽曲で構成されています。

アルバムについて

本アルバムは、さだまさしの深い歌詞と独自のメロディが組み合わさり、聴く者に感動を与えます。各曲は、異なる場所や体験をテーマにしており、聴く人々がそれぞれの物語を感じ取ることができる作品となっています。収録曲の数々は、さだ自身の感性を表現し、聴き手を旅へと誘います。

収録曲の詳細

• - ナイルにて -夢の碑文-（エジプト・ナイル川流域）

この曲は、ある女性が恋人との心の距離を考察し、自分たちの恋の本当の姿を理解しようとする心理を描いています。バスドラムの音で表現された心臓の鼓動は、以前のアルバムにも用いられており、力強い印象を与えます。

• - カリビアン・ブルー（カリブ海沿岸）

結ばれることのない男女の恋愛をテーマにしたこの曲は、切なさと哀愁が漂います。聴く人は、この恋の複雑な感情に心を奪われることでしょう。

• - SNOWMAN

冬の恋の一瞬の美しさと儚さを表現したこの曲は、春の訪れと共に消えてしまう雪だるまの姿に重ね合わされています。

• - 白鯨

「夢」と「野心」をテーマにし、巨大な白鯨を追い求める男の姿が描かれています。この曲は、ハーマン・メルヴィルの古典的小説から着想を得ています。

• - リンドバーグの墓（アメリカ合衆国・ハワイ州マウイ島）

死別した恋人を思う女性の心情を描いた曲で、深い郷愁が感じられます。

• - ビクトリア・ピーク（香港）

過去の恋を思い出し、心の中で静かに泣く女性の様子を歌っています。この曲には、作詞家・さだの家族に関するエピソードも含まれています。

• - Song for a friend

恋が終わった男女の友情を称えた楽曲で、切ないけれど温かい気持ちを伝えます。

• - 水底の町（日本・栃木県）

故郷がダムの底に沈んでしまった男性の思いがテーマ。さだ自身が故郷の喪失に対する深い思索を綴っています。

• - 天然色の化石（日本・東京都）

環境問題への警鐘を鳴らす一方で、愛する人の幸福を願うラブソングでもあります。さだはこの曲を通じて、今を生きることの重要性と「心」の大切さを強調しています。

• - 夜想曲（ノクターン）

愛する人への感謝の気持ちを純粋に歌ったラブソングで、聴く者に安らぎを与えます。

制作と参加ミュージシャン

全曲はさだまさしが作詞・作曲を手がけており、亀山社中が編曲を担当しています。主な参加メンバーも多様で、さまざまな楽器が生かされています。特に「白鯨」や「夜想曲」の編曲には、渡辺俊幸が大きな役割を果たしています。コーラスは各曲ごとにぴったりの合唱団名がつけられており、それぞれの作品に色を添えています。

さだまさしの『夢回帰線II』は、深い感情とストーリーテリングが見事に融合した作品であり、聴く人を新たな旅へ誘います。このアルバムを通じて、彼の音楽の世界を堪能してみてください。

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