大いなる西部

映画『大いなる西部』

『大いなる西部』（おおいなるせいぶ、原題: The Big Country）は、1958年に公開されたアメリカの西部劇映画です。この作品は、ウィリアム・ワイラーが監督を務め、グレゴリー・ペックやチャールトン・ヘストンなどの著名な俳優陣が出演しています。また、原作はドナルド・ハミルトンの小説『The Big Country』に基づいています。映画では、バール・アイヴスが演じたキャラクターがアカデミー助演男優賞とゴールデングローブ賞を受賞するなど、評価も高い作品となっています。

ストーリーの概要

物語は1870年代のテキサス州サンラファエルを舞台に、東部からやってきた紳士、ジェームズ・マッケイの物語が展開します。彼は当地の有力者であるテリル少佐の一人娘、パットとの結婚を目的に訪れます。しかし、到着時に彼を迎えた牧童頭、スティーヴ・リーチは、むしろ敵意を示します。これは、彼がパットに恋していたためです。

パットはスティーヴを先に帰し、ジェームズと共に父親の牧場へ向かいますが、その道中で酒に酔ったヘネシー家の息子たちとのトラブルに巻き込まれます。しかし、ジェームズは喧嘩を避け、冷静に行動します。この町では、テリル少佐と大地主ルーファス・ヘネシーが水源を巡って対立しており、意見が分かれていました。

水源のある土地ビッグ・マディを所有するのは、町の学校教師のジュリー・マラゴンです。彼女は水の独占が引き起こす争いを懸念し、どちらの地主にも土地を売ることを拒否しています。このような状況の中で、テリル少佐はヘネシー家に対する復讐を果たしたことで、さらに対立が深まります。

ジェームズの葛藤と行動

ジェームズは少佐の行動に疑問を抱き、争いの原因となる土地ビッグ・マディを訪れ、ジュリーに会って話し合いをします。彼は中立的な立場を持ち、水を公平に分け与えることを提案し、最終的に二人は売買契約を結ぶに至ります。しかし、この慎重な態度は、パットや少佐には理解されず、不満を呼びます。

水源地ビッグ・マディを手に入れるため、ヘネシー家はジュリーを監禁するという極端な手段に出ます。果敢にジェームズは単身ヘネシー家に乗り込むと、自由に水を使うことを公言し、ジュリーを救おうと奮闘します。この際、ヘネシーの息子との決闘も発生しますが、息子は卑怯な振る舞いをした末に父に射殺されてしまいます。

敵対の終息と新たな開始

やがて、スティーヴと少佐のチームが乱戦に加わり、少佐とヘネシーは決闘の末に共に命を落とします。このように、憎しみと暴力に満ちた時代が終わりを告げ、ジェームズはジュリーと共に新たな人生を歩み出します。彼らは共にビッグ・マディへ向かい、新しい家を築くことを決意します。

キャスト

主な出演者には以下の面々がいます。

• - ジェームズ・マッケイ: グレゴリー・ペック
• - ジュリー・マラゴン: ジーン・シモンズ
• - パトリシア（パット）・テリル: キャロル・ベイカー
• - スティーヴ・リーチ: チャールトン・ヘストン
• - ルーファス・ヘネシー: バール・アイヴス
• - ヘンリー・テリル少佐: チャールズ・ビックフォード

また、作品の音楽はジェローム・モロスが担当し、そのテーマ曲は多くのCMやテレビ番組でも使用されるほど、有名なものとなっています。『大いなる西部』は、アメリカ映画の成り立ちを体現する傑作として、今なお多くの観客に愛されています。

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