大下島

大下島（おおげしま）について

大下島は、愛媛県今治市に属し、瀬戸内海の中心に位置する有人島です。周囲は約7.2キロメートルで、最高峰はイシ山で203メートルです。西側には小大下島、東側には柏島を挟んで大三島が存在します。島全体は花崗岩に覆われており、平地がほとんどないため、自然の厳しさが感じられる場所です。

地理・自然環境

この島の地形は主に山岳地帯で、西岸に集落が存在します。平地が少ないため、島特有の風景が広がっています。主要な産業はミカン栽培で、広々としたミカン畑が多く見られるのが特徴です。ミカンの香り漂うこの島は、果樹園と共に海の風景が楽しめる場所でもあります。

人口と社会

2012年度の調査によると、島の人口は104人、世帯数は64であり、大多数が高齢者です。若者が少なく、高齢化が進んでいることが伺えます。集落は主に島の西側、大下に集中しています。島民の生活においては、通学する子供たちがスクールボートを利用して本土の学校へ通っています。

教育

大下島には小学校や中学校が存在しないため、島内の子どもたちは教育を受けるために船を利用します。以前は、1880年に設立された岡村学校の大下分校や、1887年に独立した大下簡易学校が存在しましたが、1997年度には休校となり、2002年に閉校しました。島内の教育機関がなくなってしまったことは、地域のさらなる高齢化を示しています。

電力供給

大下島地域は愛媛県に位置していますが、電力供給は四国電力でなく中国電力から行われています。この独自の供給体制も、大下島の特徴の一つです。

交通手段

交通手段としては、島の西岸にある大下港から今治市営フェリーの第二せきぜんや旅客船の第三徳海が運航しています。また、海上タクシーも利用可能で、島外とのアクセスが確保されています。

名所・祭りと文化

大下島にはいくつかの名所があります。1894年に設置された大下島灯台は、来島海峡の西入り口近くにあり、多くの訪問者の目を引きます。また、森繁久弥の詩碑が立つ「みんなの広場」や、海賊の洞穴といったスポットも訪れる価値があります。さらに、1月11日には早津佐神社で行われる弓祈祷や、秋祭りなど、地元の伝統行事も盛んです。

大下島の独特の文化と自然環境は、訪れる人々を魅了し続けています。この美しい小島は、静かな海の景色と時間がゆっくりと流れる場所で、心を癒す瞬間を提供しています。

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