大中橋 (荒川)

大中橋

大中橋（おおちゅうばし）は、埼玉県秩父市に位置し、荒川を跨ぐ道路橋です。秩父市道大滝127号に属し、近くには新しく架けられた大滝橋（おおたきはし）があります。本項では、この2つの橋の歴史や特徴について詳しく説明します。

橋の概要

大中橋は、荒川の河口から146.8キロメートルの位置にあり、地域住民の生活道路として利用されています。全長は57.8メートル、幅は4.1メートルで、有効幅は3.5メートルの単純平行弦ワーレントラス橋です。この橋は、大滝地区において唯一のトラス橋となっており、幅員が狭いため交互通行を強いられます。左岸側にある国道140号との交差点が近く、歩道は設置されていませんが、下流側にはグリーンベルトが整備されています。

2020年の時点で、旧橋である大中橋は通行止めとなっており、地域の交通機関には新橋（大滝橋）が利用されています。大滝橋は西武観光バスおよび秩父市営バスの停留所「大滝総合支所」にアクセスするための重要な役割を果たしています。

歴史

大中橋は1960年に施工され、建設は横河橋梁が担当しました。開通当初は大滝村の村道として利用されていましたが、2005年の市町村合併に伴い、秩父市の管理下に移りました。2009年には劣化が進んだため、橋の塗装が刷新されました。

新橋（大滝橋）の架設は、老朽化や狭い幅員の問題解決を目的として着手されたもので、2012年度に工事が始まりました。新しい橋は81.2メートルの長さを持ち、幅は9.0メートル、内2.5メートルは歩道用に設計されています。施工業者は複数の企業が関与し、最終的な総事業費は約5億8千万円となりました。新橋の開通式典は2016年に行われ、地域住民にとって新たな交通の便をもたらしました。

周辺地域

大中橋付近は旧大滝村の中心地であり、周辺には数々の集落が存在します。上流には約1億年前の地層がある四万十帯、下流には秩父帯と呼ばれる約2億年前の地層があります。橋のすぐ上流では荒川の支流である中津川が合流し、この地点は1982年から水質測定が行われている場所の一つです。

また、周辺は秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、紅葉の名所としても知られています。秋には「奥秩父大滝紅葉まつり」が開催され、多くの観光客が訪れます。

近隣施設

この地域には、秩父市役所大滝総合支所や旧大滝中学校、図書館、診療所などがあり、地域住民の生活を支える重要な施設が集まっています。また、道の駅大滝温泉や大滝歴史民俗資料館など、観光スポットも点在しています。さらに、周囲には自然豊かな景観が広がっており、観光やレジャーを楽しむための条件が整っています。

新しい大滝橋の開通に伴い、地域の交通網が改善され、住民にとってますます便利な環境が整備されつつあります。

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