大主教

大主教について

大主教（だいしゅきょう、英語: Archbishop）は、キリスト教の中で特に高い権威を持つ役職です。この称号は主教（しきょう）や司教（しきょう）などの上位に位置付けられており、各教派によってその役割や呼称が異なります。日本国内では正教会、ルター派、聖公会において「大主教」と呼ばれますが、カトリック教会では「大司教」という用語が使われています。

正教会における大主教

正教会では、大主教はその大主教区の行政トップであり、附属教区の監督も行います。特にギリシャ系の正教会においては、大主教の権威は総主教に次ぐものであり、主教が功績や年齢によって大主教に昇叙（しょうじょ）されることが行われます。スラヴ系の正教会では、府主教が大主教を兼任することもあります。

日本においても、正教会の首座主教である全日本の府主教が東京の大主教を兼任しています。

大主教の呼称と役職

大主教は、さまざまな言語で異なる呼称を持っています。例えば、ギリシャ語では「Αρχιεπίσκοπος（アーキエピスコポス）」、「ロシア語・ブルガリア語」では「Архиепископ（アルヒエピスコプ）」、英語では「Archbishop」となります。それぞれの教派によって、この役職が果たす役割は異なりますが、一般的には主教座聖堂の長であり、教区の統治にかかわる重要な人物です。

大主教と大聖堂

大主教が管掌する聖堂は「大主教座聖堂」と呼ばれ、これに対して主教が管掌する聖堂は「主教座聖堂」となります。これらはしばしば「大聖堂」として総称されることもありますが、正教会ではこの用語は必ずしも主教が管理する聖堂にのみ当てはまるわけではありません。例えば、正教会において「大聖堂」とされる場合、その聖堂が主教座聖堂でない小規模な聖堂も含まれる場合があります。

主教座の語源は、主教が座る椅子からきており、ギリシャ語の「Καθέδρα（カヘドラ）」やラテン語の「cathedra」から派生しています。この椅子に由来して大聖堂という名称も生まれました。

各教派の大主教

聖公会においては、カンタベリー大主教などがその代表的な大主教です。また、プロテスタントの一部、特にルター派教会では、大主教の地位が存在することもありますが、一般的には主教の地位しか持ちません。これに対して、正教会では主教の権威は主に総主教の次に大主教が位置づけられ、特にギリシャ系やスラヴ系の正教会でその役割は異なります。

まとめ

大主教という役職は、キリスト教の中で非常に重要な役割を果たしており、その権限や役割は教派や地域によって異なります。本記事ではその概要と模様を紹介しましたが、さらに広がりを持つ特別な位置にあることが理解いただけたでしょう。

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