大久保良峻

大久保良峻（おおくぼ りょうしゅん）

大久保良峻は、1954年6月14日に神奈川県で誕生した日本の仏教学者であり、天台宗の僧侶でもあります。現在は早稲田大学文学部の教授として教鞭を執り、仏教の研究に従事しています。彼の研究分野は主に平安時代の日本仏教史に焦点を当てており、その豊富な知識と実績は広く認められています。

略歴

大久保は1980年に早稲田大学文学部心理学科を卒業し、その後、同大学の大学院文学研究科東洋哲学専攻に進学しました。その後、1989年には博士課程単位取得満期退学に至ります。彼は早稲田大学において助教授としての立場を経て、現在は文学学術院の教授を務めています。また、彼は早稲田大学から博士（文学）の学位を取得しており、学問的な基盤が非常にしっかりしています。さらに、日本仏教綜合研究学会の会長として、仏教の学際的な研究の促進にも貢献しています。2015年以降は早稲田大学仏教青年会の第10代会長に就任し、仏教教育にも携わっています。

著書

大久保の著作は日本の仏教学において高く評価されており、数冊の書籍を著したり編纂したりしています。代表的な著書には、『天台教学と本覚思想』(1998年、増訂版2022年)、『台密教学の研究』(2004年)、『最澄の思想と天台密教』(2015年)などがあります。これらの作品を通じて、彼は天台宗の深い教義についての理解を深めることに貢献しています。また、近年は『伝教大師 最澄』(2021年)の発表により、最澄の功績を再評価する動きを推進しています。

編著

彼の研究の幅は著書だけにとどまらず、編著も多数手掛けています。たとえば、『新・八宗綱要　日本仏教諸宗の思想と歴史』(2001年)や、『日本仏教34の鍵』(2003年)、さらには『新アジア仏教史11　日本Ⅰ 日本仏教の礎』(2010年)においては編集委員としても活動しています。特に、『天台学探尋　日本の文化・思想の核心を探る』(2014年)は、仏教と日本文化との関連を探る研究として注目されています。

監修・記念論集

大久保は学問的な活動だけでなく、後進の育成にも尽力しており、記念論集や監修業務でも重要な役割を果たしています。2009年には『日本仏教編年大鑑 八宗総覧』の監修を行い、2015年には自身の還暦を記念した『天台・真言諸宗論攷　大久保良峻教授還暦記念論集』を発表しました。これらの活動を通じて、彼は日本仏教の学問的な基盤をさらに強固なものにしています。

論文と影響

大久保良峻の論文は多岐にわたり、彼の研究内容はCiNiiやINBUDSなどのデータベースで確認することができます。彼の業績は日本仏教の学問的発展に大きく寄与しており、その影響は多くの学生や研究者に及んでいます。

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