大久保裕晴

大久保 裕晴

大久保 裕晴（おおくぼ ひろはる）氏は、1952年11月3日に兵庫県で生まれた日本の金融分野における要人です。日本銀行でのキャリアを中心に、大学教授、そして多様な企業や組織の役員としても活動を展開してきました。その経歴は、金融政策の現場から地域経済、そして教育、企業経営に至るまで、非常に幅広い分野に及んでいます。

生涯とキャリアの初期

兵庫県に生まれ育った大久保氏は、地元の兵庫県立神戸高等学校を1971年に卒業しました。その後、一橋大学経済学部へと進み、1975年に同学部を卒業しています。同年4月には、日本の金融政策を担う中央銀行である日本銀行に入行しました。ここから、金融官僚としての彼のキャリアが本格的にスタートします。

日本銀行での活動

日本銀行に入行後、大久保氏は国内外の様々な部署で経験を積みました。1984年4月には、ロンドン駐在参事付きとしてパリに駐在し、国際的な視点から経済動向や金融情勢を把握する重要な役割を担いました。帰国後、1988年5月には調査統計局で調査役を務め、経済の分析や統計に関する業務に携わりました。これは、金融政策の立案において基盤となる知見を培う部署です。

人事関連の業務も経験しており、1995年5月には人事局総務課長に就任しました。組織運営における人材管理や制度設計に関与し、日銀内部の円滑な機能維持に貢献しました。1997年5月には考査役となり、金融機関の健全性チェックなどの重要な職務にあたりました。そして、1997年11月には函館支店長に就任。地域経済の最前線で、地元金融機関や企業との連携を深め、地域経済の活性化に尽力しました。1999年4月に人事局参事役を経て、2001年4月には地元である兵庫県の日本銀行神戸支店支店長に着任。地域経済の中心である関西、特に兵庫県の経済情勢を把握し、金融政策の伝達や地域への貢献において重要な役割を果たしました。

退官後の多岐にわたる活動

日本銀行を退官した後、大久保氏はその豊富な知識と経験を活かし、さらに活動の場を広げました。2004年4月からは、神戸大学大学院経済学研究所（後に経済学研究科に改称）の教授として教鞭を執り、次世代の経済人育成に貢献しました。教育者としての顔を持つ一方、2007年4月には株式会社池田泉州銀行の顧問に就任し、金融機関経営への助言を行いました。同時期に株式会社自然総研の代表取締役社長も務めています。

その後も、企業経営への関与は続き、2013年4月には食品関連企業である株式会社トーホーの取締役に就任しました。2014年4月からは大阪経済大学経済学部の非常勤講師としても教壇に立ちました。さらに、2015年6月にはAREホールディングス株式会社の社外取締役（監査等委員）および三ツ星ベルト株式会社の社外監査役に就任するなど、上場企業の経営監視機構の一員としてもその手腕を発揮しました。また、地元の金融機関である播州信用金庫では常勤監事を務め、公益財団法人である神戸やまぶき財団の理事も歴任するなど、地域経済や社会貢献活動においても重要な役割を担っています。

このように、大久保裕晴氏は日本銀行における要職を通じて金融行政に深く関わった後、大学での教育活動、そして金融機関や事業会社での経営・監査役員、地域における公益活動など、そのキャリアを多方面に展開し、社会に貢献し続けている人物です。

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