大事件だよ全員集合!!

映画『大事件だよ全員集合!!』

『大事件だよ全員集合!!』は、1973年に公開されたドリフターズによるコメディ映画で、松竹の「全員集合シリーズ」の第12作目です。この作品は、ドリフターズのメンバーが繰り広げるユーモアに満ちた探偵劇であり、多くの笑いと懐かしさを提供します。また、映画と併映の作品として『男はつらいよ 私の寅さん』も公開されました。

本作は、ドリフの荒井注が映画に最後に登場する作品としても注目されています。彼に代わって、志村けんが翌年からドリフのメンバーとなり、同じく新メンバーのすわ親治もシリーズに初めて加わります。主演の伊刈長吉役はいかりや長介、その助手に加藤茶が扮し、マドンナ役として松坂慶子が登場、ゲスト歌手にはアグネス・チャンがいます。

ストーリー概要

物語は探偵の伊刈長吉が日々の忙しい生活の中で、助手の仲本工事と共に経営する探偵事務所から始まります。しかし、事務所には全く客が来ず、家賃滞納のため大家から追い立てられてしまう長吉。生活苦から、行きつけのラーメン屋の亭主や従業員からも取り立てに遭い、ついには夜逃げを考えるまでに至ります。

そんな中、彼のもとに自衛隊から逃げてきた加藤ヒデオが現れ、ラーメンを食い逃げしたことからトラブルが起こります。長吉は、加藤を追ってラーメン屋の人々と揉めてしまい、その際に、「俺はCIAの東京支部長だ」と冗談半分に大口を叩きます。この発言を真に受けた仲間たちが新米探偵として彼についていくことになります。こうして長吉とその仲間たちは、様々な事件を解決していくことになります。

スタッフとキャスト

本作の制作は沢村国男と井沢健が担当し、原作と監督は渡邊祐介が務めました。脚本も同氏によるものです。他のスタッフには、撮影の荒野諒一や美術の森田郷平、音楽のたかしまあきひこなどが名を連ねています。

キャストには、主役のいかりや長介（伊刈長吉役）や加藤茶（加藤ヒデオ役）、荒井注（荒井忠次役）、仲本工事（仲本工作役）、高木ブー（高木風太役）などがいます。さらには松坂慶子が坂本ミサオ役として出演し、彼女のキャラクターが物語に彩りを添えます。

音楽と放送について

本作の主題歌「燃ゆるドリフだ」は佐藤惣之助が作詞し、山田耕筰が作曲したものです。また、挿入歌にはアグネス・チャンの「小さな恋の物語」が用いられ、音楽も多くのファンに愛されています。

『大事件だよ全員集合!!』は、2000年に松竹ホームビデオからVHSとしてリリースされましたが、その後はDVDやBD化はされておらず、1980年にはテレビ放送も行われました。近年、2019年にはBS放送でHDリマスター版が放映され、再び多くの視聴者にこの作品が届けられました。

この映画は、ドリフターズの魅力だけでなく、昭和のコメディ映画の良さを再認識させてくれる作品です。当時の雰囲気を感じながら、笑いを提供してくれる一作として、多くの人々に記憶されることでしょう。

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