大井川駅

大井川駅（おおいがわえき）

大井川駅は、かつて静岡県の中部に位置した志太郡大井川町相川に存在した鉄道駅です。現在の自治体区分では静岡県焼津市の一部となっています。

この駅は、静岡鉄道が運営していた駿遠線の駅の一つでしたが、路線全体の廃止に伴いその役目を終えました。

歴史

大井川駅は、まず1914年（大正3年）9月3日に、藤相鉄道という私鉄の駅として開業しました。開業当初、この駅は藤相鉄道の終着駅でした。

しかし、開業からわずか一年後の1915年（大正4年）11月には、路線が大幡方面へと延伸されました。これにより、大井川駅は路線の途中駅へと変わりました。

時代は進み、太平洋戦争中の1943年（昭和18年）5月15日、当時の戦時体制下における企業統合の流れの中で、藤相鉄道は静岡鉄道に吸収合併されました。これに伴い、路線名も藤相線と改称され、大井川駅は静岡鉄道藤相線の駅となります。

戦後、1948年（昭和23年）9月8日には、鉄道路線網の再編や名称整理が行われ、藤相線は駿遠線と改称されました。これにより、大井川駅は静岡鉄道駿遠線の一駅としての地位を確立しました。

その後、モータリゼーションの進展などにより、鉄道を利用する人が減少していきました。駿遠線も例外ではなく、段階的に路線の廃止が進められます。1968年（昭和43年）8月22日には、大井川駅から先の堀野新田までの区間が廃止されました。これにより、かつて途中駅となった大井川駅は、再び駿遠線の終着駅となったのです。

しかし、路線の廃止はさらに進み、そのわずか2年後の1970年（昭和45年）8月1日、静岡鉄道駿遠線はその全線が廃止されました。これに伴い、大井川駅も約56年間の歴史に幕を下ろし、廃駅となりました。

廃止後の様子

駅の廃止後、その跡地は長らく商業施設として利用されていました。具体的には、静岡鉄道グループが展開するスーパーマーケットである、しずてつストアなどがこの場所に建設され、地域住民の生活を支えていました。

しかし、時代の流れとともにその姿も変わり、現在、大井川駅があった場所は静かな住宅地となっています。かつて鉄道駅として賑わった痕跡は、ほとんど残されていません。

隣の駅

静岡鉄道駿遠線が運行されていた当時、大井川駅の両隣には以下の駅がありました。

上新田駅（かみしんでんえき） - 大井川駅の北東側
遠州神戸駅（えんしゅうごうどえき） - 大井川駅の南西側

駅の配置は、上新田駅 - 大井川駅 - 遠州神戸駅という順でした。

関連項目

廃駅
廃線
* 静岡鉄道駿遠線

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