大仁邦彌

大仁 邦彌のプロフィールとサッカー人生

大仁邦彌（だいに くにや）は、1944年に兵庫県神戸市で生まれた元サッカー選手であり、指導者、解説者としても知られる人物です。彼は日本サッカーの発展に多大な影響を与え、現在は日本サッカー協会の名誉会長としてその功績を称えられています。

幼少期とサッカーの始まり

大仁は3人兄弟の末っ子として誕生し、神戸市立本山中学校に在学中にサッカーを始めました。サッカーに対する情熱は早くから芽生え、その後神戸高校を卒業後、一年浪人生活を経て1964年には慶應義塾大学文学部に入学します。大学では6年間の留年を経て、関東大学リーグで6年連続全試合出場を果たしました。また、1969年には全日本大学選手権大会で決勝のゴールを決め、優勝に貢献しました。この頃にはすでに日本学生選抜チームの主将を務めるなど、その才能が高く評価されていました。

プロ選手としてのキャリア

卒業後の1970年、大仁は三菱重工業に入団します。初めは中盤の守備的選手としてプレーし、後にストッパーやリベロ、サイドバックとしても活躍しました。三菱重工業ではJSL（日本サッカーリーグ）、天皇杯、JSLカップにおいて数々の優勝を経験し、1973年には年間優秀11人賞に選ばれるなど、その実力を証明しました。現役時代の通算成績は212試合1得点、JSLでは119試合1得点に加え4アシストという記録を残しました。そして、1972年6月には日本代表としてのデビューを飾り、その後、国際Aマッチで44試合に出場しました。

コーチ・監督としての活躍

大仁は1978年からコーチ兼任として日本代表チームに携わり、1979年には現役を引退しました。1984年には三菱重工業の監督に就任し、1986-87、1987-88シーズンでは連続してリーグ3位の成績を残しますが、1988-89シーズンにはチームをJSL2部に降格させ、その責任を取って監督職を辞任。以降は社業に専念し、新しい流通施設部門で営業に従事しました。

日本サッカー協会での活動

1992年、大仁は日本サッカー協会に入会し、特任理事や理事、強化委員長、会長などの重要な役割を歴任しました。彼の指導の下、サッカー界の多くの改革が進められ、特に強化委員長としては1998年の加茂監督更迭、2002年のトルシエ監督就任に関与しました。また、国際サッカー連盟の委員としても活動し、アジアサッカー連盟においても重要な役割を担いました。

家族と私生活

家庭面では、妻と一男二女を持ち、特に妻の葉子さんは日本における女子サッカーの草創期に審判員を務めた経歴があります。彼の義兄である村越克己も慶應大と三菱重工業で共にプレーした選手です。

発言と影響

大仁はサッカー関係の発言でも知られ、ロンドンオリンピックにおける韓国の選手の政治的メッセージに対するコメントでは、両国の友好関係の重要性を強調しました。また、2014年末には代表監督に関わる問題についての意見表明を行い、その誠実な姿勢が評価されました。

まとめ

大仁邦彌は日本サッカー界における多面的な人物で、選手から指導者、協会のリーダーへと進化し続けてきました。彼の長年にわたる貢献と情熱は、今日の日本サッカーの礎を築いています。彼の業績は今後も多くのサッカー関係者にとっての指標であり続けるでしょう。

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