大仏寺 (新昌県)

大仏寺

大仏寺（だいぶつじ）は、中華人民共和国浙江省紹興市新昌県に位置する仏教寺院です。その長い歴史と文化的な価値から、多くの人々に信仰され、訪れる場所となっています。

歴史

大仏寺の歴史は、東晋時代の永和初年（4世紀）に、高僧である曇光によって創建されたことに始まります。創建当初は隠岳寺と称されていました。

南斉の永明4年（486年）には、僧護が見仙髻岩の崖壁に仏光が現れたのを見て、弥勒仏の大像を彫ることを決意しました。しかし、僧護の死によって工事は中断され、その後、僧淑が引き継ぎましたが、完成には至りませんでした。梁の天監6年（507年）に、建安王蕭偉が僧祐を派遣し、仏像彫刻などの工事を再開させ、天監15年（516年）にようやく完成しました。

唐代に入ると、会昌5年（845年）に瑞像閣が建立されましたが、広明年間（880年 - 881年）の戦乱で寺は全焼してしまいます。五代十国の後梁時代、開平元年（907年）にも火災に見舞われ、建物をすべて焼失しました。その後、呉越の銭鏐によって再建資金が賜与され、彌勒宝閣や300余りの殿宇が建立されました。この際、銭鏐から「瑞像寺」の名を賜っています。

宋代には、大中祥符元年（1008年）に「宝相寺」の名を賜りました。明代に入ると、洪武年間（1328年 - 1388年）に「石仏寺」と改称され、永楽9年（1411年）には「毗盧閣」と改称されました。清代の康熙年間（1662年 - 1722年）には「南明寺」と改称されましたが、咸豊年間（1831年 - 1861年）に再び焼失。光緒年間（1871年 - 1908年）に寺院が重修され、現在の「大仏寺」という名に改称されました。

1983年には、中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定され、2006年には浙江省人民政府によって浙江省重点文物保護単位に認定されました。さらに、2013年には中華人民共和国国務院によって全国重点文物保護単位に認定されています。

伽藍

大仏寺の伽藍は、以下の建物で構成されています。

天王殿
西方殿
大雄宝殿（本堂）
大仏殿
地蔵殿
蔵経楼
隱鶴楼
千仏院
智者法塔

重要文化財

大仏寺の最も重要な文化財は、彌勒石像です。「江南第一の大仏」とも呼ばれ、その巨大さと美しさで訪れる人々を魅了しています。大仏の台座は高さ2m、身長は13.74m、頭部は4.8m、耳の長さは2.8m、鼻の長さは1.48mにも及びます。両手は手のひらを上にして膝の間に交差して置いており、その手のひらには10人以上が立つことができると言われています。

また、梁建安王造剡山石城寺石像碑も重要な文化財として知られています。

主な住僧

大仏寺は、多くの高僧を輩出してきました。

曇光（286年 - 396年）
于法蘭：晋代の高僧、千仏禅院の開山祖師
僧護：南斉年間の高僧
僧祐（445 - 718年）：後梁年間の高僧
元（玄）儼（675 - 741年）：隋唐の時の高僧
悟道法師：中華民国の時の住職
伝實法師：現在の住職

大仏寺は、その長い歴史の中で、数々の困難を乗り越え、貴重な文化財を守り続けてきました。現在も多くの人々の信仰を集めるこの寺院は、中国仏教文化の重要な拠点の一つと言えるでしょう。

外部リンク

公式ウェブサイト （中国語）

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