大光院 (京都市)

大光院について

大光院（だいこういん）は、京都市北区に位置する臨済宗大徳寺派の寺院であり、大本山大徳寺の塔頭として知られています。寺院の本尊は釈迦如来で、その歴史は豊臣秀吉の実弟である秀長の菩提を弔うために文禄元年（1592年）に遡ります。秀長の子である秀保によって古渓宗陳が招かれ、最初の建立が行われました。この寺の名前は秀長の戒名に由来しています。

しかし、秀保は早くに亡くなってしまい、その後家が断絶しました。そこで、秀保の家臣である藤堂高虎が慶長4年（1599年）に大徳寺の山内に塔頭を移しました。それ以降、江戸時代を通じて伊勢国津藩藤堂家の支援を受けていました。文化3年（1816年）には一度焼失しましたが、文政年間（1818年 - 1830年）に藤堂氏の尽力により再興され、再びその歴史を刻むこととなりました。

現在の大光院の敷地は、1955年（昭和30年）に移転された場所で、以前には現在の京都市立紫野高等学校があったエリアです。この移転により、寺院は新たな形で地域に根付いています。

境内の見どころ

大光院の境内には多くの魅力的な施設があり、訪れる人々を魅了しています。主な構造物の一つである客殿は本堂でもあり、文政3年（1820年）に藤堂氏によって再建されました。これには、伝・狩野探幽が描いた屏風を襖絵として使用した「雲龍図」があります。この作品は、仙台藩伊達氏から伝わったもので、重要な文化財とされています。

また、書院や庫裏も再建されており、ここも藤堂氏の手により文政年間に整備されました。特に目を引くのは、茶室「蒲庵」で、これは元々あったものではなく、経緯が不明なまま解体されていた材料を用いて復元されたといいます。この茶室には黒田官兵衛の好みが反映されており、官兵衛の子である黒田長政や他の武将たちが寄進した石があり、「三石の席」とも呼ばれています。

境内には豊臣秀長の墓と藤堂高虎の墓もあり、歴史的な面影を感じることができます。さらに、鳥塚や慶長4年に建立された山門も、その時代を物語る重要な文化財として存在しています。

拝観について

通常、大光院は公開されておらず、訪れることは難しいですが、2022年（令和4年）には特別な機会として「第56回 京の冬の旅」において一般公開され、多くの人々にその美しさが紹介されました。このように、大光院は歴史と文化に満ちた寺院として、訪れる価値がある場所です。

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