大内正二

大内正二：中野区政に足跡を残した革新者

大内正二（1913年7月7日 - 1991年12月30日）は、東京都中野区長を務めた人物です。福島県出身であり、その経歴は東京都の行政官から中野区長へと至ります。

生涯と業績

大内は、東京都企画調査局長や労働局長といった要職を歴任した後、1970年12月25日から1971年10月8日まで中野区教育委員を務めました。そして、1971年10月8日から1979年4月26日まで、中野区長として区政を担いました。

区長就任は、1952年の地方自治法改正で失われた区長公選制を取り戻そうという機運が高まる中、区議会が候補者を決定し、都知事が同意するという形式で行われました。大内自身も区長公選制に向けた世論形成を後押ししました。1975年4月には、24年ぶりに復活した区長公選で当選を果たし、区民からの信任を得ました。

在任中には、補助金の整理統合や公費飲食の禁止、住区協議会結成など、様々な施策を実行しました。これらの政策は区民から厚い支持を集めました。都庁勤務時代の経験から、都に対して率直な意見を述べることができたことも、彼の強みでした。

1978年には、教育委員の準公選制度導入を求める直接請求が住民から出され、区議会で区民投票条例が可決されました。大内はこの条例が地方教育行政法に抵触するとして再議に付しましたが、再可決されました。その後、中野区は東京都に条例の審査を申し立て、都知事は合法と判断しました。退任を控えた大内は、都知事が合法とする意向を示した際には、合法の裁定が下りても出訴しないことを表明し、判断を次期区長に委ねました。

退任後と死

1979年の中野区長選挙では、後継者として青山良道を強く支援し、青山は当選を果たしました。青山は区長就任後、教育長の準公選を推進し、条例に基づく準公選が4回実施されました（1995年に条例は廃止）。

退任時には、弁護士登録を「肩書き」として行うものの、「何もしないで一中野区民として暮らすつもり」と語っていました。1991年12月30日、呼吸不全のため78歳で死去しました。

大内正二は、中野区政において、区長公選制の復活や教育委員準公選制度の導入など、重要な転換期を担った人物として記憶されています。彼のリーダーシップと改革への情熱は、中野区の発展に大きく貢献しました。

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