大分市立碩田中学校

大分市立碩田中学校について

大分市立碩田中学校（おおいたしりつ せきでんちゅうがっこう）は、大分県大分市の碩田町に位置していた公立の中学校です。本校は市の中心部にあり、荷揚町小学校、中島小学校、住吉小学校の3つの小学校区を校区としていました。この地域は官公庁や商店、工業地帯など多様な特性を持っており、学校の周囲は活気に満ちていました。

しかし、大分市の中心部ではドーナツ化現象が進行しており、それに伴う人口の流出の影響で生徒数は減少傾向にありました。最後の在籍時には334名の生徒が在学しており、12の学級が設けられていました。卒業生は19,804名に達し、その教育の歴史は長いものでした。

校名の「碩田」は、「大分」の古名から由来しており、古文書にも記載があるように、景行天皇が訪れた際に命名されたという伝説があります。大分を表すこの名称は、地域の文化的なアイデンティティを反映しています。

小中一貫教育への移行

近年の教育改革の流れの中で、2012年3月に策定された大分市立小中学校適正配置基本計画により、地域の小学校が統合され、新たな学校の設立が計画されました。これに伴い、碩田中学校は小中一貫教育を充実させる方針が示されました。具体的には、2014年には大分市教育委員会によって、住吉小学校の校地と隣接する位置に新しい小中一貫校が設立されることが決定しました。特に、この新設校が大分県初の義務教育学校として位置づけられ、校名が「大分市立碩田学園」となることも決まりました。

碩田中学校は、これらの変革に対応するため、2015年に一時的に住吉小学校のグラウンドに移転しました。そして、2017年4月には新しい校舎が開校され、従来の碩田中学校はその役割を終えることとなりました。中学校としての最後の日は、2017年3月31日に閉校式が行われ、長い歴史に幕を閉じました。

校訓と沿革

碩田中学校の校訓には「英知」「友情」「団結」といった言葉が掲げられ、生徒たちがこれらの価値を重んじて育つように促していました。沿革を振り返ると、1947年に創立され、様々な出来事を経て、2002年には校訓が制定されました。校旗と校歌も1951年に整備され、学校のシンボルとなっていました。

通学区域と交通アクセス

碩田中学校の通学区域には、荷揚町、中央町、高砂町、住吉町など、地域の多くのエリアが含まれていました。交通アクセスも良好で、JR九州の大分駅からは徒歩で約25分程度の距離にあり、バスを利用することも可能でした。

著名な卒業生

この学校からは、多彩な分野で活躍した卒業生が数多くいます。たとえば、2010年の世界柔道選手権で金メダルを獲得した穴井隆将さんや、衆議院議員の穴見陽一さん、俳優や声優活動を行う石丸謙二郎さんなどが知られています。大分の地域社会においても、碩田中学校は重要な存在として広く認知されていました。

碩田中学校が歴史に名を刻む中、地域との関係や教育の質を追求し続けたその姿勢は、今後の教育環境にも受け継がれていくことでしょう。

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