大分県立春日浦野球場

大分県立春日浦野球場

大分県立春日浦野球場は、かつて大分県大分市王子北町に位置していた公営の野球場です。「春日浦球場」という略称で、多くの野球ファンに親しまれました。

球場の歴史

この球場は、1948年2月に旧大分師範学校の跡地に建設されました。開場以来、大分県における野球の拠点の一つとして、社会人野球の公式戦や、夏の高校野球県大会における熱戦の舞台となってきました。

長年にわたり県内の野球振興に貢献してきましたが、施設の老朽化が進んだこと、そして1980年3月に大洲総合運動公園硬式野球場が新たに完成したことなどを背景に、2005年3月をもってその歴史に幕を下ろしました。

閉場後の跡地利用

球場の閉場後、跡地は再開発され、2007年4月14日には複合商業施設である「フレスポ春日浦」がオープンしました。

フレスポ春日浦の敷地内には、かつて球場に設置されていた得点ボードを模した記念碑が建てられており、往時の姿を偲ばせています。また、施設内の核店舗であるトキハインダストリー春日浦フードスタジアム内には、「春日浦ボールメモリー」という展示スペースが設けられています。ここでは、球場建設の経緯や開場式の様子、グラウンドに関する紹介に加え、大分県の野球史に関する貴重な写真資料などが展示されており、球場の記憶を後世に伝えています。

プロ野球公式戦開催実績

春日浦野球場は、プロ野球の公式戦が開催された歴史も持っています。ここでは、いくつかの代表的な試合を以下に列挙します。

1948年7月29日：南海ホークス vs 中日ドラゴンズ (中日が勝利)
1949年8月14日：大阪タイガース vs 大陽ロビンス (阪神が大勝)
1950年5月23日：西鉄クリッパース vs 毎日オリオンズ (毎日が勝利)
1950年8月22日：西鉄クリッパース vs 阪急ブレーブス (西鉄が勝利)
1951年5月19日：大洋ホエールズ vs 松竹ロビンス
この試合は、松竹が10点差を逆転して勝利するという、日本プロ野球史上2例目となる珍しい記録試合となりました。
1952年7月30日：大洋ホエールズ vs 読売ジャイアンツ (大洋が勝利)
1953年9月01日：国鉄スワローズ vs 名古屋ドラゴンズ (名古屋が勝利)
* 1959年10月8日：西鉄ライオンズ vs 大毎オリオンズ (大毎が勝利)

これらの試合は、地方におけるプロ野球の普及にも貢献し、多くの野球ファンに感動を与えました。

春日浦野球場は、その存在期間を通じて、大分県の野球界において重要な役割を果たしました。閉場後も、跡地に設けられた記念施設を通じて、その歴史と功績は語り継がれています。

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