大分県立荷揚町体育館

大分県立荷揚町体育館は、かつて大分県大分市荷揚町に位置していた公立の体育館です。1954年（昭和29年）に開館し、長らく地域住民に親しまれてきました。特に、プロレスの興行会場としての知名度が高く、数々の熱戦が繰り広げられました。また、大分国際車いすマラソン大会の開会式など、大規模なイベントにも利用されるなど、大分県におけるスポーツ文化の一翼を担っていました。

しかし、開館から半世紀以上が経過し、施設の老朽化が深刻化してきました。さらに、1979年（昭和54年）に大分県立総合体育館（現在の大分市大洲総合体育館）が開館したことや、2005年（平成17年）には別府市総合体育館（べっぷアリーナ）が開館したことにより、県内のスポーツ施設の整備が進み、代替施設が充実しました。これらの状況を踏まえ、大分県の行財政改革の一環として、2005年（平成17年）3月末をもって閉館されることとなりました。

閉館後、建物は取り壊され、跡地は2009年度（平成21年度）より民間に貸し出され、駐車場として活用されてきました。しかし、近年、大分県知事公舎の移転・新築計画が決定し、その候補地としてこの跡地が選ばれたため、再びその役割を変えることになります。なお、荷揚町体育館の歴史を伝える貴重な遺品として、体育館の看板が、大分県立総合体育館内に設けられたスポーツライブラリーで展示されています。この看板は、体育館の存在を後世に伝えるとともに、当時の活気や熱気を今に伝える象徴となっています。

体育館の周辺には、大分中央警察署や大分地方裁判所、大分家庭裁判所、大分地方検察庁などの公的機関が集まっており、地域の行政の中心地としての役割も担っていました。また、大分市立荷揚町小学校も近隣に位置しており、地域住民の生活に密着したエリアに存在していました。

荷揚町体育館は、その長い歴史の中で、スポーツイベントだけでなく、地域社会の交流の場としても重要な役割を果たしてきました。閉館は惜しまれるものの、その歴史は、大分県のスポーツ文化の一端として、今もなお語り継がれています。

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