大分県竹工芸・訓練支援センター

大分県立竹工芸訓練センター：日本の竹工芸を支える技術の灯台

大分県別府市に位置する大分県立竹工芸訓練センターは、昭和13年（1938年）に設立された歴史ある教育機関です。その前身は大分県工業試験場別府工芸指導所で、当初は竹工芸技術者の育成と試験研究を行う機関として活動していました。その後、大分県別府産業工芸試験所を経て、平成13年（2001年）に大分県立別府高等技術専門校と統合され、現在の「大分県立竹工芸訓練センター」として発足しました。

本センターは、経済産業大臣指定伝統的工芸品である別府竹細工の技術を継承し、発展させる役割を担っています。日本で唯一の公立の竹工芸専門教育機関として、全国から高い評価を得ており、毎年多くの入校希望者を受け入れています。募集定員を大きく上回る応募があることから、その高い人気と質の高さがうかがえます。

教育内容とカリキュラム

現在、本センターでは「竹工芸科」のみが設置されています。かつては「介護サービス科」も存在していましたが、平成28年（2016年）3月に廃科となりました。竹工芸科は2年間の課程で、高度な竹工芸技術を習得できるよう、実践的なカリキュラムが組まれています。入学時期は毎年4月で、高卒予定者向けの早期募集も11月に行われています。定員は12名で、全国から選抜された優秀な人材が学んでいます。

教育機関としての役割

本センターは、単なる教育機関にとどまらず、地域社会への貢献にも力を入れています。県内外からの技術相談にも対応しており、竹加工に関する技術指導や、企業単独では入手困難な特殊な加工機械の貸し出しも行っています。平成21年（2009年）には、センター内に「未来竹房 B-スクエア」というインキュベーション型の貸し工房を開設。これは、卒業生をはじめとする竹工芸技術者の独立支援を目的としており、技術者の育成と定着を促進する役割を担っています。

歴史と発展

本センターの歴史は長く、昭和13年の設立以来、日本の竹工芸界の発展に大きく貢献してきました。幾度かの名称変更や組織改編を経て、現在の形に至っています。設立当初からの技術者育成という使命に加え、近年では、地域産業への貢献や竹工芸技術の継承という役割も担い、その活動はますます重要性を増しています。

未来への展望

大分県立竹工芸訓練センターは、日本の伝統文化である竹工芸の技術を未来へと繋ぐ重要な役割を担っています。今後も、高度な技術指導と充実した教育環境を提供することで、日本の竹工芸を支える優秀な人材を育成し続け、日本の伝統文化の継承と発展に貢献していくでしょう。

本センターの存在は、日本の竹工芸界にとってかけがえのないものと言えるでしょう。伝統技術を守りながら、新たな技術開発にも挑戦し続けることで、日本の竹工芸のさらなる発展に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索