大分県道603号赤木吹原佐伯線

大分県道603号赤木吹原佐伯線：直川と佐伯市を繋ぐ険しい道

大分県佐伯市を東西に横断する一般県道603号赤木吹原佐伯線は、国道10号と大分県道37号佐伯蒲江線を結ぶ路線です。起点である佐伯市直川地区から吹原集落までは比較的走りやすい2車線の道路が整備されています。しかし、吹原集落を過ぎると道幅は狭くなり、1～1.5車線の曲がりくねった道へと変わります。

特に、吹原峠の轟トンネル周辺は、道路状況が著しく悪化します。1車線幅の道路は落石や落枝の危険があり、路肩も弱く、ガードレールや待避所も少ないため、通行には細心の注意が必要です。起点付近や佐伯市大越地区の入口には、4t車以上の通行を困難とする警告標識も設置されています。そのため、直川と佐伯市中心部を結ぶ主要な交通路としては機能しておらず、沿線住民の生活道路としての利用が中心となっています。

しかし、このような厳しい自然環境の中にあるにも関わらず、轟トンネルの出入口には絵柄入りのカントリーサインが設置されており、地元住民の道路への愛情を感じさせます。轟集落を過ぎると、再び1～1.5車線ですが、待避所が整備され、走りやすさが改善されます。大越地区に入ると、終点である大分県道37号佐伯蒲江線まで2車線の快適な道路が続きます。この区間は、東九州自動車道佐伯堅田ICへのバイパス道路となる農道が整備されたことに伴い、交通量が増加しているため、再整備が進められています。

終点付近の案内標識には、かつてこの県道を使って直川まで行けることを示す表示がありましたが、現在は撤去されています。これは、険しい道路状況を鑑みて、通行を控えさせるための措置だと考えられます。

この県道は、全長を通して快適なドライブを楽しめる道路ではありません。しかし、その険しさゆえに、沿線地域住民の生活を支え、地域の歴史や自然を肌で感じることができる、独特の魅力を持つ道路と言えます。整備された区間と未整備区間のギャップが大きく、その変化に富んだ道程は、ドライバーに忘れがたい体験を与えてくれるでしょう。

路線データ

起点：大分県佐伯市直川大字赤木（国道10号交点）
終点：大分県佐伯市大字長谷（大分県道37号佐伯蒲江線交点）

道路施設

轟トンネル：延長37m、1936年（昭和11年）竣工、高さ制限2.2m

沿線

日豊本線 直川駅
鉱泉センター直川
森林公園憩の森
直川ダム
グリーンピア大越
* 佐伯市総合運動公園

この道路は、単なる交通路としてだけでなく、地域の生活、歴史、自然と深く関わっていることを理解することが重要です。観光目的での利用は、道路状況を十分に考慮した上で判断する必要があります。

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