大分県道707号大泊浜徳浦線

大分県道707号大泊浜徳浦線：長目半島の険しい道をゆく

大分県道707号大泊浜徳浦線は、大分県臼杵市と津久見市を繋ぐ一般県道です。全長約17.9キロメートル、リアス式海岸が織りなす複雑な地形の中を縫うように走り、豊かな自然と歴史を感じさせる道程となっています。

長目半島の交通事情と路線の整備

長目半島は、入り組んだ海岸線と急峻な山々が特徴的な地域です。そのため、古くから交通の便は悪く、特に半島先端部は孤立しやすい状況にありました。かつては、津久見市側の長目地区から津久見港へは、市営船が重要な交通手段でした。

県道707号線は、半島の北側（臼杵市側）と南側（津久見市側）から海岸沿いに延びるように建設されましたが、半島先端部は未整備区間が残されていました。そのため、台風などの災害時には、先端部の集落が孤立してしまうという事態も発生していました。

この問題を解決するため、2006年から泊ケ内（臼杵市側）と楠屋（津久見市側）を結ぶ森林管理道長目半島線の工事が開始され、2013年10月19日に開通しました。この延長2273メートルの道路の開通により、半島先端部の交通網が大きく改善されました。

道路改良事業の進捗

開通した区間についても、海岸沿いの急カーブなどが課題となっています。安全性の向上と利便性の向上のために、現在も道路改良事業が継続的に行われています。

その一例として、2001年には津久見市長目地区から堅浦地区までの区間で改良工事が完了しました。この工事によって、道路幅員が6メートルに拡幅され、浦代トンネル（延長197メートル）が完成するなど、大幅な改善が図られました。その結果、2020メートルの区間が1190メートルに短縮され、走行時間が短縮されました。

路線データと周辺環境

起点: 大分県臼杵市大字大泊（大分県道217号臼杵津久見線交点）
終点: 大分県津久見市大字徳浦（大分県道217号臼久見線交点）
総延長: 約17.9キロメートル（全線開通時）

沿線には、臼杵津久見警察署大泊警察官駐在所や津久見市立堅徳小学校などの施設があります。また、急峻な地形ゆえ、橋梁やトンネルが複数箇所存在します。

主な橋梁: 堅浦橋（堅浦川）、朝日橋（徳浦川）
主なトンネル: 深江トンネル（臼杵市）、浦代トンネル（臼杵市）、堅浦トンネル（津久見市）

まとめ

大分県道707号大泊浜徳浦線は、長目半島の厳しい自然条件の中で整備された、重要な交通インフラです。道路改良事業の継続的な実施によって、安全で快適な道路環境の整備がさらに進められることが期待されます。変化に富んだ地形と景観の中を走る、ドライブ愛好家にも魅力的な路線です。

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