大分県道711号合瀬上野田線

大分県道711号合瀬上野田線：日田の秘境へ繋がる未開の道

大分県日田市には、豊かな自然と歴史が息づく地域が数多く存在します。その一方で、山間部には未だ整備が行き届かず、生活道路としての機能が十分に果たせていない道路も存在します。大分県道711号合瀬上野田線は、まさにそのような現状を象徴する路線と言えるでしょう。

この一般県道は、日田市の中津江村合瀬を起点とし、上津江町上野田を終点とする計画です。しかし、現状では全区間が未供用であり、道路としての機能は十分とは言えません。地図上には道路として表示されているものの、実際は砂利道で、しかも2箇所にわたって分断されている状態です。まるで獣道と化した区間もあると伝えられており、車の通行は困難を極めます。

特に、中津江村中川内付近の中間地点は完全に孤立しており、アクセスには林道を経由する必要があります。しかし、この林道も荒れた状態にあり、ダートに近い悪路が続きます。そのため、この区間を通行するには四輪駆動車など、悪路走破能力の高い車両が必要となるでしょう。

起点となる中津江村合瀬は、大分県道・熊本県道9号日田鹿本線と交差します。一方、終点の上津江町上野田では国道387号に接続する計画です。もし、この路線が全線開通すれば、日田市の中津江村と上津江町を直接結ぶ重要な交通路となります。現在、未整備であるために、両地区間の移動には遠回りせざるを得ない状況です。

この路線の整備は、地域住民の生活向上に大きく貢献するだけでなく、沿線にある程野の滝などの観光資源へのアクセス向上にもつながるでしょう。程野の滝は、雄大な自然美を誇る隠れた名瀑として知られていますが、アクセスルートの悪さから、観光客の数は多くありません。合瀬上野田線が整備されれば、より多くの観光客が訪れるようになり、地域経済の活性化にも寄与すると期待されています。

しかしながら、現状の道路状況を鑑みると、この路線の整備には多大な時間と費用がかかると予想されます。険しい山間部を縫うように建設を進める必要があり、地質調査や環境保全対策なども慎重に進める必要があります。

地元住民の生活道路としての機能向上はもとより、観光資源の活用、ひいては地域経済の活性化のためにも、大分県道711号合瀬上野田線の早期整備が強く望まれています。大分県日田土木事務所が中心となり、関係各所との連携を密にしながら、着実な進捗が期待されます。現状では、地図上の道路と実際の道路状況に大きな乖離があることを、改めて認識しておく必要があります。

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