大利根仁義

大利根仁義

『大利根仁義』は1964年10月20日にリリースされた橋幸夫の57枚目のシングルです。この楽曲は、橋の音楽キャリアにおいて重要な一節であり、新たな作家との共演を含む作品として注目されています。

背景

橋幸夫は1960年7月に「潮来笠」でデビューし、その後、多くのヒット曲を生み出してきました。特に「いつでも夢を」に代表される青春歌謡のカテゴリーでの成功は見逃せません。また、1964年8月にはリズム歌謡「恋をするなら」をリリースし、その音楽的な幅を広げていました。この年だけでも15枚のシングルを発表しており、音楽活動が非常に活発だったことがうかがえます。

橋が手掛けた楽曲の多くは、作詞が佐伯孝夫、作曲が吉田正という二人の恩師によるものであり、これはデビュー以来変わらぬスタイルでした。しかし、『大利根仁義』において橋は初めて恩師以外の作家といることに挑戦することになります。この背景には、吉田正の周囲への配慮があったと橋は回顧しています。

楽曲制作の経緯

ビクターの種々の作家たちが、ヒットを持つ橋と一緒に楽曲を作りたいと考えるのは自然な流れでした。そのため、音楽の雰囲気を一新させる必要性が生まれ、『大利根仁義』の制作が開始されました。この曲は、橋の音楽的な原点である「股旅」をテーマにしています。

具体的には、作詞を吉川静夫、作曲を平川浪竜が担当しました。吉川はかつて、吉田正がまだ駆け出しの作曲家だった頃に多くの作品を手掛けていた人物です。また平川は「岸壁の母」で知られ、印象的な旋律を生み出す作曲家です。

ジャケットと収録曲

シングルのジャケットは二つ折りの4ページからなり、3ページと4ページには松若寿恵由による振付解説が盛り込まれています。

c/w（カップリング）には「たった一人の君なのに」が収録されており、こちらも作詞は吉川静夫、作曲・編曲は大野正雄の手によるものです。この曲は現代的なセリフ入りのスタイルを取り入れた作品で、同じく大野とはその10日後にリリースされる「君のひたいに光る汗」で再共演を果たしています。

収録アルバム

『大利根仁義』は、股旅系のアルバムに収録されることは稀でありますが、以下のアルバムに含まれています：

• - 『股旅演歌ベスト〈潮来笠から子連れ狼まで〉』（1986年5月21日）
• - 『橋幸夫大全集』（CD-BOX 6枚組、1993年9月20日発売）DISC-4
• - 『橋幸夫のすべて』（CD-BOX 5枚組、2011年2月8日発売）DISC-1
• - 『橋幸夫ベスト100+カラオケ15』（CD-BOX 5+1枚組、2015年10月28日発売）DISC-3

このように、『大利根仁義』は橋幸夫にとって新たな挑戦を示す作品として、今も多くのファンに愛され続けています。

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