大原スキー場

大原スキー場

大原スキー場は、かつて新潟県魚沼市大白川に位置していたスキー場です。1972年に開設され、多くのスキーヤーやスノーボーダーに利用されていましたが、2018-19シーズンをもってその歴史に幕を下ろしました。

概要と沿革

新潟県魚沼市の南西部に位置する大原スキー場は、雄大な守門岳の麓に開かれました。1972年の開業当初は「関越国際大原スキー場」として知られていました。この地域は、日本でも有数の豪雪地帯として名高く、その地理的な条件から、他のスキー場と比較して比較的長い期間にわたりウィンタースポーツを楽しむことが可能でした。この「シーズンの長さ」は、スキー場の大きな強みであり、地域住民だけでなく、遠方からの利用者も多く、特に新潟市スキー協会などが利用するなど、一定の需要を確保していました。

しかし、21世紀に入ると、日本のスキー・スノーボード業界は大きな転換期を迎えます。少子高齢化や若者のライフスタイルの変化などにより、国内のスキー・スノーボード人口は長期的な減少傾向にありました。さらに、近年の地球温暖化の影響は深刻で、暖冬や小雪に見舞われるシーズンが増加しました。これにより、スキー場にとって最も重要な「雪」の確保が困難となり、営業期間の短縮や雪不足によるコース状況の悪化などが頻繁に発生するようになりました。

こうした複合的な要因が重なり、大原スキー場も経営状況が悪化の一途をたどります。かつての賑わいは次第に失われ、収支の改善が見込めない状況に追い込まれていきました。

存続への試みと廃止

スキー場の存続を願う声は強く、地元である大白川地区の住民や、長年スキー場を利用してきた愛好家たちの有志が立ち上がりました。スキー場の危機的な状況を受け、2018-19シーズンには、これらの地元住民や利用団体によって運営委員会が組織され、事実上の自主運営体制での再出発が図られました。地域が一体となってスキー場を支えようという熱意のもと、運営コストの削減や集客努力などが行われました。

しかし、長引くスキー人口の減少傾向と、予測不能な気候変動による雪不足という厳しい現実を覆すことはできませんでした。運営委員会による懸命な努力にもかかわらず、利用者の減少と雪不足による営業への影響は大きく、収支を改善し、安定した経営を続けることは極めて困難でした。採算が取れない状況が続いた結果、残念ながら、運営委員会による体制での運営が開始された2018-19シーズンをもって、大原スキー場はその歴史に幕を下ろすことが決定され、廃止となりました。

アクセス

大原スキー場へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、JR只見線の大白川駅が最寄り駅でした。大白川駅からは、およそ3キロメートルの距離に位置していました。

車を利用する場合、関越自動車道の魚沼インターチェンジからアクセスするのが一般的でした。魚沼インターチェンジからは、国道252号線を経由しておよそ45分程度の道のりでした。冬期間は積雪や路面凍結が予想されるため、チェーン規制やスタッドレスタイヤの装着など、十分な冬装備が必要でした。

補足事項

魚沼市内には、大原スキー場以外にも奥只見丸山スキー場、小出スキー場、須原スキー場、薬師スキー場など、複数のスキー場が存在します（または過去に存在しました）。大原スキー場と同様に、利用者の減少や気候変動といった社会情勢の影響を受け、既に廃止されたスキー場（例: 大湯温泉スキー場）も存在しており、大原スキー場の閉鎖は、こうした全国的なスキー場を取り巻く環境変化を象徴する事例の一つと言えます。

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