守門岳

守門岳：越後平野を一望する雄大な成層火山

新潟県南西部に位置する守門岳は、魚沼市、三条市、長岡市の三市にまたがる第四紀火山です。標高1,537.2mを誇る袴岳を最高峰とし、大岳、青雲岳、袴岳の三つのピークが連なるその姿は、総称して守門岳と呼ばれ、地元では「守門山」の愛称で親しまれています。日本二百名山にも選定されており、古くから多くの人々を魅了してきた山です。

約200万年前の火山活動の痕跡

およそ240万年前から170万年前にかけて活発な火山活動を行った安[[山岩]]質の成層火山である守門岳。その歴史は、山頂付近に残る大規模な雪庇や、北側に広がる侵食カルデラといった地形に見ることができます。侵食カルデラは、かつての激しい噴火活動による爆裂火口が侵食された結果形成されたと考えられています。主峰である袴岳の他に、烏帽子岳、黒姫、藤平山、中津又岳など周辺には多くの山々が連なり、守門岳山塊は広大な面積を誇ります。大岳山頂には守門大明神が祀られており、古くから信仰の対象ともされてきました。

多様な登山コースと絶景ポイント

守門岳への登山道は、全部で6コースが整備されています。それぞれ異なるアプローチと特徴を持つコースから、自身の体力や好みに合わせて選択できます。ここでは代表的な3コースを紹介します。

1. 大白川コース

JR只見線大白川駅から出発するこのコースは、守門川に沿って大原スキー場を目指します。スキー場上部の牧場跡地にある登山口から登山開始。約1時間ほどで「エデシ」と呼ばれる展望の良い地点に到着します。そこから先は痩せ尾根の急登が続きますが、視界が開けると越後三山が姿を現します。緩やかな傾斜になった三の芝、二の芝、一の芝と順に登り、最終的に袴岳山頂へ到達します。山頂からは、越後三山、浅草岳、会津地方の山々、飯豊連峰、さらには天候が良ければ佐渡島まで見渡せる絶景が楽しめます。往路は約3時間30分を要します。

2. 二口コース

魚沼市二分地区から二口登山口までは約2km。登山口には40台駐車可能な駐車場とトイレが整備されているので安心です。登山口から5分ほど歩くと急登が始まり、約30分でこのコース唯一の水場である「護人清水」に到着します。ブナ林の中を抜け、谷内平、滝見台と進み、最後の急登を約1時間登りきると、大岳と青雲岳を結ぶ分岐点に到着します。この分岐点から青雲岳を経て袴岳山頂へ至ります。往路は約3時間30分です。

3. 保久礼コース

長岡市を流れる信濃川の支流、刈谷田川の上流にある刈谷田ダムサイトから出発します。ダムサイトから保久礼登山口までは約9kmの狭い車道を通りますので、対向車への注意が必要です。登山口には約20台駐車可能です。保久礼小屋脇から登山開始。約20分で「キビタキ清水」と呼ばれる水場を通過します。不動平まで登ると傾斜が緩やかになり、大岳山頂に到着。大岳からは粟ヶ岳、川内山塊、弥彦山、越後平野、佐渡島など、360度のパノラマが楽しめます。網張と呼ばれる鞍部を下り、再び登ると、青雲岳と二口登山口からの分岐点に到着。この分岐点から青雲岳を経て袴岳山頂へ至ります。往路は約3時間です。

守門岳の魅力

守門岳は、歴史深い成層火山としての価値と、多様な登山コース、そして何よりも素晴らしい眺望が魅力です。春の新緑、夏の緑葉、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の表情を見せてくれる雄大な山々をぜひ訪れてみてください。

参考情報
栃尾観光協会
魚沼市観光協会
* 産業技術総合研究所 地質調査総合センター

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