大原隧道・東隧道

大原隧道と東隧道の概要

大原隧道（おおはらずいどう）と東隧道（あずまずいどう）は、横浜市にある特異な水道幹線路兼公道トンネルで、いずれも昭和初期に建設されました。これらのトンネルは、現在でも主要な水道施設として利用されています。両者は同じ目的で建設されたため、「兄弟トンネル」とも呼ばれることがあります。

大原隧道の詳細

大原隧道は、清水ケ丘公園の下を通り、横浜市南区の清水ケ丘と南太田を結ぶ歩行者・自転車専用の通路であり、特に観光客や地域住民に利用されています。このトンネルは、関東大震災の復興事業の一環として、1927年6月に着工され、翌年の7月に完成しました。総工費は当時の金額でおよそ72,564円40銭でした。トンネルの長さは254メートル、高さは3.62メートル、幅は2.44メートルであり、西谷浄水場から蒔田・磯子方面への水道本管も併設されています。

大原隧道の特筆すべき点は、その独特なデザインです。坑門は、フランス積みにされた紫褐色の焼過煉瓦と花崗岩で構成されており、非常に印象的です。このユニークなデザインは評価され、2000年には横浜市により歴史的建造物として認定され、さらに2006年には土木学会選奨土木遺産にも選定されています。

東隧道の特徴

一方、東隧道は大原隧道からおよそ600メートル北に位置する保土ケ谷区岩井町にあります。こちらのトンネルも水道管を敷設するために施工され、デザインも大原隧道と似ています。1930年に完成したこのトンネルは、現在では保土ケ谷駅と岩井町南部、清水ケ丘の住宅街、さらには聖隷横浜病院を結ぶ重要な生活道路として利用されています。

東隧道の延長は168.7メートル、高さは6.3メートル、幅は5.7メートルです。自動車も通行可能ですが、それほど広くはないため、走行および歩行には十分な注意が求められます。また、トンネル内部には待避所が設けられており、特に路線バスが通るため、大型バスの通行にも対応していますが、狭隘なため通行時には注意が必要です。

歴史的意義と現在の利用

大原隧道および東隧道は、ただの交通路ではなく、地域の歴史や文化を語る貴重な遺産でもあります。両トンネル共に横浜市により歴史的建造物として認定されており、土木学会の選奨土木遺産にも選ばれています。そのため、地域の人々だけでなく観光客にも訪れる価値があるスポットとなっています。

まとめ

大原隧道と東隧道は、歴史と技術的価値を持つ重要な構造物です。両者は水道施設としての機能を果たすだけでなく、美しいデザインとともに地域の景観を形成しており、多くの人々に利用されています。これらのトンネルが今後も大切にされ、長くその役割を果たし続けることが期待されます。

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