大同団結運動

大同団結運動について

大同団結運動（だいどうだんけつうんどう）とは、1886年から1891年にかけて日本で展開された自由民権運動の一環であり、特に帝国議会の開設に向けて各派の統一を目指した活動を指します。この時期、政治的な背景や状況が大きく影響したことから、運動は様々な変遷を辿りました。

経緯と背景

自由民権運動は、自由党（板垣退助総裁）および立憲改進党（大隈重信総裁）を中心に広がりましたが、1884年に自由党は解散に追い込まれ、立憲改進党も休止状態となりました。しかし、政治犯として拘束されていた活動家たちの中から一足早く出獄した星亨が、1886年10月に旧自由党員の再集結を図ります。

1887年には、政府の条約改正交渉への反対運動が活発化し、星はこの動きを利用して「外交策の刷新」や「地租軽減」、「言論集会の自由」といった要求を掲げ、全国的な請願を呼びかけました。しかし、政府の保安条例発布により建白運動は一時中断されます。

その後、自由民権運動は再び帝国議会への進出を目指す動きを強め、1889年の大日本帝国憲法の発布に伴う大赦により、多くの政治犯が釈放され、活発な選挙活動が展開されました。ただし、党派間での考え方の違いが浮上し、特に旧自由党内では路線対立が生じました。

統一への試み

この運動において、政社系と非政社系という二つの立場が対立しました。政社系は新党の母体となる政治結社を結成しようとし、非政社系は自由党の再興を目指す方針を取っていました。両者の間での意見の不一致は、後藤象二郎の政府入りに関する噂が広まる中で、一層深刻化しました。

運動の代表者たちは、大同団結を目指して会合を開きましたが、政社派と非政社派の激論は続き、最終的に両派は分裂することとなります。分裂後、各派は独自に運動を進めましたが、一時的に条約改正反対運動で協力し合う場面も見られました。

再統合への模索

板垣退助は、自由党再興の重要性を認識し、各派との連携を模索しました。1890年には三派の幹部が初めて合同の会合を開き、その後庚寅倶楽部を結成します。総選挙を迎える中で、自由民権勢力は議会の過半数を確保し、九州連合同志会も加わり、合同の気運が高まりました。

9月15日、立憲自由党の結党式が行われ、各派が再び一堂に会することができました。これにより、帝国議会への準備が整いました。しかし、立憲改進党は当初の協議から離脱し、単独で議会に臨むことを選びました。

影響と結論

大同団結運動は、明治時代の日本において、政治的な意識の高まりや、議会制度の確立に向けた重要な一歩でした。様々な派閥の対立と結束を経て、最終的に形成された立憲自由党は、日本の政治史における重要な役割を果たします。この運動の展開は、自由民権の理念が日本の政治に根付く基盤となりました。

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