大和上市駅

大和上市駅：吉野への玄関口

大和上市駅は、奈良県吉野郡吉野町上市に位置する近畿日本鉄道吉野線にある駅です。駅番号はF55。古くから吉野へのアクセス拠点として、多くの旅人を迎えてきました。本記事では、大和上市駅の詳細について解説します。

歴史と変遷

大和上市駅は、1928年（昭和3年）に吉野鉄道の路線延伸によって開業しました。その後、幾多の合併を経て、現在の近畿日本鉄道吉野線の一部となりました。

1928年（昭和3年）：吉野鉄道の六田～吉野間延伸により開業
1929年（昭和4年）：大阪電気軌道による吉野鉄道合併
1941年（昭和16年）：関西急行鉄道への合併
1944年（昭和19年）：近畿日本鉄道への合併
1998年（平成10年）：駅前周辺整備事業完成
2007年（平成19年）：PiTaPa利用開始
2021年（令和3年）：無人駅化

開業からおよそ100年近くの歴史を持つ大和上市駅は、時代の流れと共に変化を遂げてきました。特に近年では、無人駅化という大きな変化がありましたが、地域住民や観光客にとって重要な交通拠点としての役割は変わりません。

駅構造と設備

大和上市駅は、単式1面1線のホームを持つ地上駅です。吉野行きと大阪阿部野橋方面行きの列車が同じホームに発着するシンプルな構造となっています。近鉄特急停車駅の中で唯一の棒線駅であり、特急列車が停車する歴史も長くあります。

駅舎は南側に位置し、ホームの有効長は4両分です。トイレは改札外にあり、男女別水洗式となっています。自動改札機は導入されておらず、PiTaPaやICOCAなどのICカードは簡易改札機で対応しています。特急券は自動券売機で購入可能です。無人駅化に伴い、駅窓口での定期券販売は終了しました。硬券入場券は下市口駅で購入できます。

利用状況

大和上市駅の利用状況は、近年減少傾向にあります。これは、自動車の普及や人口減少など、様々な要因が考えられます。以下に、近年の1日平均乗降人員を示します。

2023年11月7日：315人
2022年11月8日：349人
2021年11月9日：335人
2018年11月13日：499人
2015年11月10日：580人
2012年11月13日：649人
2010年11月9日：766人
2008年11月18日：950人
2005年11月8日：1,243人

ピーク時には1日1200人を超える利用者がありましたが、近年は減少傾向にあり、地域社会の課題の一つとなっています。

駅周辺情報

大和上市駅周辺には、吉野町役場、吉野上市郵便局などの公共施設や、商店、飲食店などが立地しています。また、観光地へのアクセスも良好で、大台ヶ原へのバス路線も利用できます。

吉野町役場
吉野上市郵便局
宮滝
世尊寺（比蘇寺跡）
* ヨシスト（吉野ストア）上市店

駅前にはバスターミナルがあり、奈良交通バス、R169ゆうゆうバスなど複数の路線が発着しています。大台ヶ原方面へのバス路線も運行されており、観光客にとって便利な立地です。その他、デマンド交通なども利用可能です。

駅を舞台にした作品

大和上市駅は、映画「男はつらいよ 寅次郎物語」のロケ地として使用されました。車寅次郎と秀吉が、高井隆子と別れるシーンが、この駅で撮影されました。

まとめ

大和上市駅は、歴史と変化を刻んできた吉野線の重要な駅です。無人化という変化はありましたが、地域住民の生活や観光客のアクセスにおいて重要な役割を担い続けています。周辺環境やアクセスについても魅力的な駅です。

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