大和久守正

大和久守正：昭和期の映画・テレビドラマを彩った脚本家

大和久守正（おおわく もりまさ）氏は、1929年2月25日生まれの日本の脚本家です。昭和37年から昭和43年にかけて放映された人気テレビドラマ『特別機動捜査隊』の脚本を多数執筆したことで知られています。高倉健氏主演の映画『昭和残侠伝 死んで貰います』（1970年）や『新網走番外地 吹雪の大脱走』（1971年）など、劇場用映画でも多くの作品を手掛け、その名は広く知れ渡っています。なお、一部サイトで見られる「やまと くままさ」や「大和守久正」といった表記は誤りです。

早期経歴と師事

大和久氏は、東京府東京市本所区（現在の東京都墨田区）に生まれました。明治大学文芸科を卒業後、脚本家・松浦健郎氏に師事します。1956年、松浦氏と共同で嵐寛寿郎氏主演映画『疾風!鞍馬天狗』の脚本を執筆し、脚本家としてデビューを果たしました。松浦氏の門下生には、大和久氏のほか、石郷岡豪、佐藤道雄、松原佳成、山崎巌といった錚々たる面々が名を連ねており、まさに才能の集まる場だったようです。今村文人氏の回想によれば、門下生たちはまるで合宿所のように共同生活をしていたと言われています。

東映時代とテレビドラマへの進出

1950年代後半から、大和久氏は東映京都撮影所を中心に活動を始めます。初期の作品は松浦氏との共同執筆が中心でしたが、1958年には『盲目の弟』（テレビ映画）と『捨てうり勘兵衛』（劇場映画）で単独での脚本執筆を開始しました。その後も数々の映画の脚本を手掛けますが、1962年から1968年にかけては、人気テレビドラマ『特別機動捜査隊』の脚本を36本執筆しました。同時期に、日本放送作家協会会員として、江東区大島に居住していました。

劇場映画復帰と代表作

1970年代に入ると、大和久氏は再び劇場用映画の脚本に携わります。北島三郎氏主演の『新兄弟仁義』を皮切りに、『遊侠列伝』『博徒仁義 盃』『昭和残侠伝 死んで貰います』『現代やくざ 盃返します』『新網走番外地 吹雪の大脱走』といった、高倉健氏や菅原文太氏を主演に迎えた話題作を次々と発表します。これらの作品群は、大和久氏の代表作として高く評価されています。1971年の『新網走番外地 吹雪の大脱走』を最後に劇場映画の脚本からは退き、以降は再びテレビドラマの脚本執筆に専念しました。1974年には、五条貴士氏と共同で『大江戸捜査網』の脚本を手掛けた記録が残っています。

晩年と不明な点

その後大和久氏の活動については、はっきりとした情報がありません。2001年には墨田区本所に在住していたことが確認されていますが、それ以降の消息は不明です。日本放送作家協会、日本シナリオ作家協会、日本[[脚本家連盟]]のいずれの会員一覧にも、大和久氏に関する記述は見当たりません。

フィルモグラフィー

大和久氏の作品リストは非常に長く、1950年代から1970年代にかけて、多数の映画とテレビドラマの脚本を手掛けています。その作品リストには、東映や日本テレビ放送網の作品が数多く含まれています。また、これらの作品の中には、現在も東京国立近代美術館フィルムセンターなどに所蔵されているものもあります。

まとめ

大和久守正氏は、昭和期の日本の映画およびテレビドラマ界に多大な貢献をした脚本家です。『特別機動捜査隊』での活躍や、高倉健氏主演作品での成功は、氏の才能を象徴するものです。晩年の消息が不明な点などが残されていますが、その作品群は、日本の映像史に大きな足跡を残していると言えるでしょう。現在もその作品は、多くの人々に感動と興奮を与え続けています。

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