大和川停留場

大和川停留場（やまとがわていりゅうじょう）

大阪府堺市堺区遠里小野町1丁に所在する、阪堺電気軌道阪堺線に所属する停留場です。停留場番号はHN16が付与されています。

当停留場のすぐ北側には、大阪市との境界を形成する一級河川の大和川が流れており、阪堺電気軌道が運行する路線の停留場としては、堺市の最北端にあたる場所に位置しています。この立地は、停留場名にもその名が冠されている大和川の存在と深く結びついています。

歴史

大和川停留場は、開業以来、複数の運営者によって管理されてきた複雑な歴史を持っています。始まりは1911年（明治44年）12月1日で、当時の阪堺電気軌道の駅として営業を開始しました。

その後、1915年（大正4年）6月21日には会社の合併に伴い、南海鉄道の駅となります。戦時体制下の鉄道事業再編により、1944年（昭和19年）6月1日には近畿日本鉄道の駅に組み込まれましたが、戦後の事業譲渡を経て、1947年（昭和22年）6月1日には再び南海電気鉄道の駅として 운영されることになりました。

興味深いのは、1953年（昭和28年）頃には一旦停留場が廃止されていたという記録が、地元の歴史書である『住吉区史』に記されていることです。この休止期間を経て、停留場はわずか2年後の1955年（昭和30年）3月30日に再び開業を果たしました。現在の形態となる阪堺電気軌道の停留場としては、1980年（昭和55年）12月1日に事業譲渡を受けてからとなります。開業から現在に至るまで、阪堺、南海、近鉄、南海、阪堺と運営者が変遷してきた経緯は、当停留場がたどった道のりを示しています。

構造

停留場は、相対式ホーム2面2線の構造を採用しています。これは、線路を挟んで上り線と下り線それぞれの乗降用ホームが向かい合って配置されている形式です。特徴的なのは、ホームが大和川の南側にあたる左岸の堤防上に設けられている点です。河川敷に沿って敷設された線路と一体となった構造となっています。

停留場周辺

停留場の周囲には、その名の由来ともなった大和川が広がり、周辺の景観を特徴づけています。

大和川：停留場のすぐ北を流れる一級河川。大阪府と奈良県、そして大阪市と堺市の境をなす場所も多くあります。
大和川橋梁：阪堺線の線路が大和川を渡るための橋梁。
大和橋：大和川に架かる道路橋。周辺の交通の要衝です。
阪神高速15号堺線：近隣を通過する高速道路。停留場周辺からのアクセスも可能です。

隣の停留場

阪堺電気軌道阪堺線における当停留場の前後の駅は以下の通りです。

我孫子道停留場 (HN15)
大和川停留場 (HN16)
* 高須神社停留場 (HN17)

（）内は停留場番号を示しています。

この停留場は、堺市の玄関口の一つとして、また歴史的な変遷を経てきた場所として、静かにその役割を担っています。

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