大和連続主婦強盗殺人事件

事件概要

2001年8月から9月にかけて、神奈川県大和市で発生した大和連続主婦強盗殺人事件は、被告人Sと交際していた女が共謀し、複数の女性を標的とした残虐な犯行でした。

最初に事件が発生したのは8月28日。Sは女と共謀し、54歳の女性宅に侵入しました。女性の口をタオルで塞ぎ、強姦を企てましたが、抵抗されたためベルトで首を絞め、さらに出刃包丁で腹部を刺して殺害しました。その後、現金23万円とキャッシュカードを奪い、ATMから40万9000円を不正に引き出しました。

同年9月12日には、Sと女は42歳の女性宅に侵入し、スタンガンを押し付け、ペティナイフを突きつけながら両手足を粘着テープで縛り、強姦しました。さらに、顔面に粘着テープを何重にも巻きつけ、浴槽に顔を押し付けて窒息死させました。この際、現金6万円と預金通帳を奪っています。

さらに、Sは単独でも犯行を重ねています。60歳の女性宅に侵入し、脅迫した上で強姦し、キャッシュカードを奪ってATMから425万円を不正に引き出しました。

裁判

検察はSと女の二人に対し死刑を求刑しました。第一審では、Sは稀に見る凶悪事件の首謀者であるとして求刑通り死刑判決が下され、女にはSにマインドコントロールされた面もあるとして無期懲役判決が言い渡されました。しかし、両者とも判決を不服として控訴しました。

東京高等裁判所での控訴審では、検察・被告双方の控訴が棄却され、Sの死刑判決と女の無期懲役判決が維持されました。女は上告せずに無期懲役が確定しましたが、Sは死刑判決を不服として最高裁判所へ上告しました。

2007年11月6日、最高裁判所第三小法廷は、「何の落ち度もない女性たちを強姦し、金品を奪った上で殺害したことは極めて凶悪である」として、Sの上告を棄却し、死刑判決が確定しました。

死刑執行

2019年8月2日、法務省の死刑執行命令を受け、Sは東京拘置所で死刑が執行されました。享年64歳でした。同日には、福岡3女性連続強盗殺人事件の死刑囚も死刑が執行され、令和改元後初の死刑執行となりました。

関連項目

日本における死刑執行者の一覧
死刑囚表現展 - 2005年から死刑囚Sが作品を出展していました。

脚注

出典

外部リンク

* 大和・2人殺害の死刑囚に死刑執行　地裁判決を振り返る - 神奈川新聞社（2019年8月2日）

もう一度検索