大四喜 (宮村優子のアルバム)

大四喜

『大四喜』（だいすーしー）は、日本の声優・歌手である宮村優子が1999年8月25日にビクターエンタテインメントよりリリースした通算8枚目のアルバム。

この作品は、前作にあたる企画ミニアルバム『鶯嬢』から約3ヶ月という短い間隔で発表されました。しかし、『鶯嬢』がミニアルバムであったため、フルサイズのオリジナルアルバムとしては1998年の『産休〜Thank You〜』以来、約1年1ヶ月ぶりのリリースとなります。なお、本作はオリジナルアルバムとしては、2014年時点での宮村優子の最新作となっていました。

タイトルの「大四喜」は、麻雀における役満の一つであり、四つの風牌（東・南・西・北）をすべて刻子（ポンまたはカンしたものを含む）か槓子にして、残りの牌で雀頭（アタマ）を完成させて和了した際に成立する非常に難易度の高い役を指します。このタイトルは、アルバム全体の遊び心や多様性を象徴していると言えるでしょう。

本作の楽曲制作陣は、企画ミニアルバム『魂』『鶯嬢』からの流れを引き継ぎ、以前から宮村の作品に楽曲を提供してきた関口和之や大槻ケンヂといったベテランに加え、JITTERIN'JINNの破矢ジンタが新たに加わるなど、幅広い顔ぶれが揃っています。

収録曲解説

ノストラちゃんまつり

宮村優子自身が作詞を手がけた楽曲。フランスの予言者であるノストラダムスを題材としており、「もし予言が外れたら盛大にお祝いしよう」というユニークで明るい世界観を描いています。

名探偵は人生を答えず

本作のリリースに先立ってシングルカットされた楽曲。NHK教育テレビで放送されていたドラマ『双子探偵』の主題歌として使用されました。

福の神

歌詞に日本の神様の名前が次々と登場し、サビの部分をひたすら繰り返すという、呪文のような、あるいは祭りの掛け声のような構成が特徴的な楽曲です。JITTERIN'JINNによる歌唱バージョンも存在しますが、これは彼らのファンクラブ特典としてのみ配布されたもので、2020年時点では一般には流通していませんでした。

Ruktun or Die

楽曲名の「ルクトゥン」はタイ語で「歌謡曲」を意味する言葉です。この曲を制作した平沢進が、タイの大衆音楽には「聴くと死人が出るほど激しい」という側面があると知ったことにインスパイアされ、このような強烈なタイトルが付けられたとされています。平沢自身も後に「Luuktung or Daai」というタイトルでこの曲をセルフカバーしていますが、その際の歌詞は男性視点に一部変更されています。

12才の旗

ロックバンド・YAPOOSのメンバーが提供した楽曲。思春期を迎える少女の初潮という、デリケートかつパーソナルなテーマを歌詞で表現しています。2019年には、YAPOOSのアルバム『ヤプーズの不審な行動 令和元年』にてセルフカバーされています。

大四喜

アルバムタイトルと同名の楽曲。歌詞には麻雀の役の名前などが織り込まれており、タイトル同様に遊び心が感じられます。サウンドアレンジも中国風のテイストを取り入れています。

けっせらせら

秘密結社〜金曜日の黒ミサ

前作『鶯嬢』に収録された「女性的な、あまりに女性的な」に続いて、YAPOOSメンバーが手がけた楽曲。歌詞では、宗教的な恐ろしい儀式の様子を描写しつつ、最終的には人間の持つ恋愛感情や情念のほうが、そのような儀式よりもさらに残酷である、という結論に至るという独特の世界観を持っています。

途中でねるな

日本のロックバンド、カステラの楽曲をカバーしたものです。原曲は、カステラがまだインディーズとして活動していた頃に自主制作でリリースしたアルバムに収録されていました。

褌ファイター

「祭り」をテーマにした、勢いのある楽曲です。

おめでたパンダ

もうすぐ子供が生まれるという喜びを歌った楽曲。楽曲のイントロや間奏部分には、出産時に用いられるラマーズ法の呼吸音が効果的に使用されています。

山道と観世音

ロックバンド・新東京正義乃士の楽曲のカバーですが、このアルバムに収録されたバージョンは、ピアニストである三柴恵によるピアノ弾き語りという、原曲とは異なるアレンジが施されています。

僕の体温は37.5℃

作詞は宮村優子自身が単独で行い、作曲は宮村と破矢ジンタの共作による楽曲です。リリース当時は特定のタイアップはありませんでしたが、後に当時TBS系列で深夜に放送されていたバラエティ番組『ワンダフル』内で放映されたテレビアニメーション『COLORFUL〜カラフル〜』の主題歌として使用されました。

（参加ミュージシャンの詳細リストは提供された情報に含まれていないため記載を省略します。）

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