大型貫通爆弾

大型貫通爆弾（MOP）

大型貫通爆弾、略称MOP（Massive Ordnance Penetrator）は、アメリカの空軍で配備されている地中貫通爆弾の一つです。この兵器はB-2とB-52Hと呼ばれる戦略爆撃機に統合されており、主に強固な地下要塞や弾道ミサイル、指令所を精密に攻撃するために設計されています。

概要と特徴

MOPはその名の通り、非常に大きな30,000ポンド（約13,600kg）という重量を持つ爆弾で、これまでに開発された中で最大のものとされています。開発はフロリダ州のエグリン空軍基地で進められ、ボーイング社による設計と試験が行われました。この爆弾はGPSを利用して誘導され、正確に目標に命中する能力を持ちます。

MOPは特に地下深くにある強固な施設の破壊を目的としており、優れた貫通性能を持っています。具体的には、コンクリートに対しては200フィート（約60メートル）の深度で5,000psi（35MPa）、強化コンクリートに対しては26フィート（約8メートル）の深度で10,000psi（69MPa）、中程度に堅い岩に対しては130フィート（約40メートル）の深度で効果を発揮します。

開発の背景

MOPの開発は2002年に始まり、当初はノースロップ・グラマン社とロッキード・マーティン社が手がけましたが、財政的および技術的な困難により一時中断されていました。しかし、2003年のイラク戦争後、既存のバンカーバスター爆弾の限界が明らかになり、改革が必要とされました。これは地下施設への攻撃能力が不十分であったことから、不満が生じたため、この新たなプロジェクトが始まりました。

その後、アメリカ空軍は大型爆弾に対する効果的な要求があったわけではありませんが、強力な貫通力を持つ新型爆弾の必要性が再認識され、この爆弾は「ビッグブルー」と呼ばれるコレクションの一部として位置付けられました。

配備状況

2007年12月には、MOPがミズーリ州のホワイトマン空軍基地に配備されることが発表されました。この爆弾は実物大の模型として公開され、具体的な戦闘能力が示されました。2011年には、空軍の地球規模攻撃軍団にも納入が開始され、確かな性能が求められました。

その後もMOPは数回のアップグレードを経て、最新の技術が取り入れられています。特に、2018年には新たなバッジ調達のため、ボーイング社と2100万ドルの契約が結ばれ、新たな機体への適用が期待されています。

文化的影響

MOPはその存在感から大衆文化にも影響を与えています。特に映画『シン・ゴジラ』においては、この大型貫通爆弾を模した「MOP2大型貫通爆弾」が登場します。この映画では、B-2戦略爆撃機から投下され、ゴジラに対する攻撃に使われました。さらに、ウルトラマンにおいても言及されています。

結論

MOPはその巨大さと精密な攻撃力によって、アメリカ空軍にとって非常に重要な兵器です。強固な地下目標に対する効果的な攻撃手段としての役割を果たし、今後の軍事戦略においてもさらなる改良と発展が期待されます。

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