地球規模攻撃軍団

地球規模攻撃軍団（AFGSC）

地球規模攻撃軍団（Air Force Global Strike Command、略称:AFGSC）は、アメリカ空軍の主要な軍団の一つで、核兵器の管理と運用を担う部隊です。2009年の設立以降、アメリカの戦略的抑止力の中核となり、冷戦後の新たな安全保障環境に対応した組織として機能しています。現在、アメリカ空軍の10個の主要軍団の中で最も新しい組織であり、その司令部はルイジアナ州のバークスデール空軍基地に位置しています。

背景

地球規模攻撃軍団の設立は、冷戦終結後の戦略航空軍団の再編に起因しています。特に2007年に発生したマイノット事件では、核弾頭が付属していたはずの巡航ミサイルが不適切に輸送されたことが、アメリカ空軍内の核兵器管理の不備を明らかにしました。これを受けて、核兵器管理体制の再構築が急務とされ、2008年の10月に新たに地球規模攻撃軍団を設立することが発表されました。

構成部隊

地球規模攻撃軍団は主に第8空軍と第20空軍から構成されており、それぞれが異なる航空機やミサイルシステムを所有しています。具体的には:

• - 第8空軍

- 第2爆撃航空団（ルイジアナ州 バークスデール空軍基地）: B-52Hを装備
- 第11、20、96爆撃飛行隊
- 第5爆撃航空団（ノースダコタ州 マイノット空軍基地）: B-52Hを装備
- 第23、69爆撃飛行隊
- 第7爆撃航空団（テキサス州 ダイエス空軍基地）: B-1Bを装備
- 第9、28爆撃飛行隊
- 第436訓練飛行隊
- 第28爆撃航空団（サウスダコタ州 エルスワース空軍基地）: B-1Bを装備
- 第34、37爆撃飛行隊
- 第509爆撃航空団（ミズーリ州 ホワイトマン空軍基地）: B-2を装備
- 第13、393爆撃飛行隊
- 第394戦闘訓練飛行隊

• - 第20空軍

- 第90ミサイル航空団（ワイオミング州 フランシス E.ワーレン空軍基地）: ミニットマンIIIを装備
- 第319、320、321ミサイル飛行隊
- 第91ミサイル航空団（ノースダコタ州 マイノット空軍基地）: ミニットマンIIIを装備
- 第740、741、742ミサイル飛行隊
- 第341ミサイル航空団（モンタナ州 マルムストローム空軍基地）: ミニットマンIIIを装備
- 第10、12、490ミサイル飛行隊
- 第625戦略作戦飛行隊（ネブラスカ州 オファット空軍基地）
- 第377航空基地航空団（ニューメキシコ州 カートランド空軍基地）
- 第498核システム航空団（ニューメキシコ州 カートランド空軍基地）

地球規模攻撃軍団直轄部隊

地球規模攻撃軍団には、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地に配備される第576飛行試験隊などの直轄部隊も存在します。これらの部隊は、宇宙やミサイル運用における技術的試験や運用を行い、アメリカの核抑止力を維持するための重要な役割を果たしています。

結論

地球規模攻撃軍団は、アメリカ空軍の核兵器管理において中心的な役割を担っており、冷戦後の安全保障環境においてもその重要性は増しています。彼らは戦略的抑止力の確保や核兵器の安全な管理を通じて、国家の安全保障に寄与しています。

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