大場達也

大場達也のプロ野球選手としての道のり

大場達也（おおば たつや）は、1989年3月10日生まれの元プロ野球選手で、神奈川県川崎市出身の右投右打の投手です。プロ野球選手としての道を歩む前の彼の経歴は、実に多様でした。

プロ入り前の経歴

大場の野球人生は中学校の時期から始まりました。彼は当初、強肩を持つ外野手として知られており、ハンドボールの強豪校からの誘いも受けていました。しかし、市立川崎高に進学した際、彼は投手に転向しました。最速144 km/hを記録する力を持ちながらも、制球力に課題があり、全国的には無名でした。高校2年生の時、夏の大会では慶應藤沢高に敗れるという結果に終わり、甲子園出場の経験はありませんでした。

高校卒業後、大場は鶴見大学に進学します。これは母親の負担を軽減しながら、アルバイトもできる環境を考慮した結果でした。大学野球部に入部し、1年生の秋から公式戦に登板しますが、最初の2年間はアルバイト中心の生活で、野球に真剣に取り組むことはありませんでした。しかし、3年生の秋に竹内康治監督から「お前なら上でやれる」との励ましを受け、加えて香田誉士史コーチとの出会いが彼の意識を変えました。下半身を鍛えることで球速を向上させ、4年生の秋にはベストナインに選出されるまでになります。

その後、社会人野球の日立製作所に入団。2011年から公式戦に登板し、第82回都市対抗野球大会では住友金属鹿島の補強選手として出場しました。2012年には都市対抗予選での好投が評価され、チームの2年ぶりの大会本戦出場に貢献しましたが、自身の先発試合では及ばず、チームは1回戦で敗退します。

2012年10月、彼はプロ野球ドラフトで東京ヤクルトスワローズから7位指名を受けます。

プロ入り後のキャリア

2013年シーズン、彼はヤクルトに入団し、一軍公式戦には5試合登板しました。その中で、4月25日の広島戦では救援として初ホールドを記録しました。しかし、2014年以降は一軍での登板が難しくなります。そして、2015年10月に球団から戦力外通告を受けました。

その後、2015年11月には草薙球場で行われた合同トライアウトに参加し、ストレート147 km/hを記録するなど注目を集めました。これを受けてMLBのサンディエゴ・パドレスからもトライアウトに招待され、選手としての可能性は広がりました。

2016年には学生野球資格回復研修を受け、翌年には無事に適性認定を受け、母校の鶴見大学で野球部コーチとして新たな道を歩み始めます。

プレースタイルと人物像

大場は最速152 km/hのストレートを武器に、落差のあるフォークや鋭いスライダーも投げる多才な投手でした。プロ入り前の大学時代には焼き鳥店でアルバイトをし、接客が評価されるほど優秀なリーダーシップを発揮していました。また、プロ入り時の契約金は母親に全額贈る心温まるエピソードもあります。

彼は様々な試練を経て、野球への情熱を持ち続けた選手であり、引退後も教育者としての役割を果たす道を選びました。大場達也の成長と変化は、今後も多くの選手にとっての励みとなることでしょう。

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